市電のあと・・がなァ

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「3条のレールは交わらない」に続く
三条通りと言うのは今、不思議な通りだと言える
蹴上から京阪三条までは京阪京津線が通っていた、路面電車のタイプだった
今は、地下鉄東西線となっている
三条大橋から堀川通りまでの三条通りは人通りが絶えない街並みが続く
明治の頃には一番の繁華街であった、今も明治の香りを残している
過去には祇園祭の山や鉾の巡行も行われた
堀川通りから千本通りまでは市内一の商店街である
京都人の暮らしぶりの生が分かると思う
西大路からは、件の嵐電(らんでん)が嵐山に向かって走っていく
しかも、へばりつくように歴史が絡んでいる
太秦(うずまさ)あたりは日本の映画の都だ、各社の撮影所があった
聖徳太子の広隆寺もある、奈良時代には国府のあったところだ
ただ、びっくりするぐらい狭い道が続く

明治以降、特に大正・昭和の京都の都市計画は市電を通すことで出来てきた
現代の京都の町筋が概ね碁盤の目のようになっていると感じられるのは実は市電道なのだ
市電の通る道だけが大正・昭和の大路(広小路)とも言える
結局、三条大橋から西へ西大路通りまでの三条通りは市電道ではなかったことが特徴である
三条通りは北隣の最も新しい御池通(おいけどおり)がその役割をしている
そこは地下鉄が作った道だともいえる

全面市営化後約60年後(1978)、京電の路線も市電の路線も全て廃線となってバスにとってかわられるようになった
電車を走らすための街路整備は京都をほぼ今の形にした功績は大きい
でも、車に邪魔にされた市電がバスになっても、バスもまた車に邪魔にされている
繁華街にしてしまった四条通りはバスも車もどちらも通れない
四条大宮~嵐山の嵐電は市電とは別の経営を維持できたために、今も路面電車が走っている
東京・大阪に習って「大都市なら誰が考えても地下鉄しかない」というのが最大の誤解だろう
市電の全廃は観光行政としても大失策だろう、と思う
市電が観光客を呼んでくれることも想定できたはずなのだ
街の発展に合わせたふりをしているが、廃止したものを戻すことは難しい
地下鉄で赤字になるなら、いっそのこと環境の街として市電の復活ぐらい考えてもよさそうな気がする
観光客の数だけを声高に叫ぶ観光行政は、必ず市民の遺産である京都を壊していく

明治以降の新しい近代都市としての京都も日本の国の遺産である
東京型の街は兄貴分の大阪に任せればいいのだ
それが戦国時代にも生き残って何百年続いてきた京都という都市のスタンスだった
都が江戸へ行っても滅ぶことのなかった街である、それを都市と言う
自然遺産になったら自然が壊れ、文化遺産になったら文化が壊れるような失敗が怖い
京都という都市の歴史的研究がおろそかになった分だけ都市としての個性が減っていく
都市としての魅力が一番の観光資源であった筈だ
鯵庵(12.29)



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Commented by camellia-02 at 2016-12-30 08:42
初めてコメントさせて頂きます。
毎回 楽しいエッセイを 読ませていただいておりますが、
冒頭のスケッチ画も エッセイ同様に 好いですね。
関東人には、良い勉強になります。
Commented by ajiankyoto at 2016-12-30 21:39
> camellia-02さん
文章も写真も絵も自己流です
ブログは全国的でいいですね
距離感をなくすのが目標です
今後もよろしく
Commented by ajiankyoto at 2016-12-30 21:45
昔、京都の地下鉄に携わった地方の友人からついでながらと言いながらも、「読んだよ」とのメールがありました
せっかく目を通してもらっても、「イイネ」一つが難しすぎてここはかないませんね
それでもありがとうの一言です
Commented by nonbino at 2016-12-31 00:24
もうすぐ今年も終わり新年ですね。
何が変わるとかではないですが、数字が一つ増えますか(^^)
そんな新年もまたよろしくお願いします。
Commented by renchiyan3 at 2016-12-31 06:08
おはようございます
今年も今日一日 楽しまさせて頂きありがとうございます 
来年も楽しまさせて下さいね よいお年迎えて下さい
Commented by ajiankyoto at 2016-12-31 14:18
> nonbinoさん
いつも寄ってもらってありがとうございます
よろしくお願いします
Commented by ajiankyoto at 2016-12-31 14:20
> renchiyan3さん
いつもありがとうございます
こちらこそよろしくお願いします
by ajiankyoto | 2016-12-29 12:40 | Comments(7)