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新しい野菜/野菜主義

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野菜の料理は鎌倉時代に発展した
それは精進料理であった。
日本の独特な食生活の一面を形成していった。
室町時代には今日の日本料理の味は出来ていたとされる
それは野菜の豊富さと、その料理法の工夫による
食生活の原型となる一汁一菜は味もカロリーも決して貧しものではない
むしろ質素・倹約の中に食事を楽しむ日本の文化形成のエネルギーだったというのが事実だろう
封建性が確立した江戸時代ですら貴族も武士も庶民も身分にかかわらずほぼ同じような料理(食事)をとってきたのは我が国の大きな文化的特徴であった
それはやはり穀物と野菜というものが食生活の基本だったのだろう
もちろん魚も・・無形文化遺産にならなくとも「和食」の原点がそこにあるような気もする
が、「和食」は現在進行形で、間違ってもただの遺産ではない
それは野菜も同じなのである

例えば・・
ほうれん草の原産地はペルシャであるが、日本には16世紀に中国から入ってきた
また、北ヨーロッパ周りのほうれん草が19世紀に入ってきた
昭和になってこれらのほうれん草の交雑種が作られるようになった
今や挿絵にあるような多彩なほうれん草が栽培されるようになった
日本の季節や気候風土に合ったものが作られるようになった
中には一代雑種のほうれん草も種苗会社から多く売られている
それでも、美味しいほうれん草を作る(出荷する)のは難しいといわれる

野菜を工業製品のように職人技で選ぶ人がいる
あるいはまた、伝統ブランドだけにこだわる人もいる
野菜は形や産地にこだわってはいけない
地面の力をどれだけ吸収しているかだ
作る人がどれだけ大事に育てたかだ
地面(土壌と水)が安全でなくてはいいものが出来ない
そのことを守るべきである
鯵庵(29.12.5)

by ajiankyoto | 2017-12-05 14:24 | 野菜主義 | Comments(0)