日本一稲荷社のご利益⑵

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この頃JR奈良線稲荷駅の混雑が異常である
何故かここ数年、外国人観光客の人気第一にあげられている伏見稲荷大社
何よりもご利益(ごりやくと読みます・・)がスーパーなのだと思う
しかも年中無休24時間営業、拝観料が要らないのサービス精神が人気の理由だと述べているものもある
そのせいかアジアの大国からの観光客も増えた
神仏混淆の歴史を持つ、神仏分離後官幣大社となる
もちろん全国稲荷神社の総本社でもある、お正月初詣でも京都一である

ただ、祭りの日でもない平日であってもここに降り立つと大変な喧騒の中に放り込まれる
外国人の家族連れが多い、何でも歩きながらの立ち食いだ
大きなカメラで記念写真の取り合いばかりである
未開の国に旅行(経験はないが)しているみたいだ
そこらじゅうが雑で不潔で騒がしくて、その上得意の我が物顔
世界を支配しようという大国の意気込みがぶつかっている
しかもそれに参道の食堂や出店などが一生懸命媚びを売っている
日本の神々はいつも門前の賑わいを微笑ましく思ってるはずだと思いつつも・・

日本の神は整然・清浄・静寂の中に存在する
神に姿はなく、我々に祈りがなくては見えない
精進あるものにのみ神のご加護がある
門前ではそんな言葉が虚しく感じられる
「なにゆうてんのん、”おこしやす”とゆうてるのはあんたの方やんか、キィー」(外国語をあの辺の言葉に訳しました)と言う声が聞こえてきそうだ
おこしやすと言うてるのは神様なのだろうか、参道の商売人なのだろうか、市長なのか、市民はまさか?・・誰が言ってるのかはっきりしてほしいと言いたくなる

ご利益安売りの神社が増えてきた、だが京都の祖霊の稲荷神社では市民はつらい
もともと言いなり神社だって??そんな失礼なこと小生は言わない
出入り自由で真夜中でもお参りできます、稲荷大社は稲荷山全体がご神体で特に心の広い神社です
外国人旅行者の破壊力は想像を超えるでしょうね
見えないけれど神はいる、それを忘れると、その時はいつか神様も怒りそうで・・怖い
ご利益の大きさは神の力の大きさの筈ですから
″日本の神は怒らない″と学んできた人たちが今京都にたくさん来ている
異様な町京都です
京都に暮らしていて京都に暮らしていることが嫌になる一瞬です
写真は稲荷社
鯵庵(29.7.30改)




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by ajiankyoto | 2017-07-30 16:43 | ご利益 | Comments(0)

日本一稲荷社のご利益⑴

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京都から木津(~奈良)を結ぶ線をJR奈良線と言う
実は京都から稲荷(いなり)駅までは旧東海道線であった
東海道線が大正10年に現在のルートになるまで、稲荷駅から稲荷山の裾をぐるっと回って山科勧修寺(かんしゅうじ)方面へ出ていた
と言うことで「稲荷」駅は明治12年開業の歴史のある駅である
その目の前にあるのが京に都が来る前からある伏見稲荷である
鳥居前が大整備されて駅からそのまま上げっていける
駅が出来た当時は官幣大社稲荷神社であった、と言うことで駅名も稲荷と定められた

元山城盆地の大豪族秦(はた)氏の本拠地であった
平安京の時代になって、この地は京の東縁に連なり深草(ふかくさ)と呼ばれていた
「うずらの里」と言われていたとある
時代が下って明治・大正は深草村であったが、昭和6年に京都市に編入された
その時に元城下町伏見市と一緒になって伏見区と名乗った訳である
戦後になって、社名を伏見稲荷神社とした
既に伏見区だったから伏見を冠したが、深草の地にあった由緒からいえばどうしようもない寂しさがあるようである
今でも伏見区と言うと人口・広さともに全国有数の区であり、分区の話がいつも出る
仮に分区すればこの地が伏見を名乗ることはない
稲荷山は東山連峰の名峰である
京都と伏見とは別の歴史を持つ街であり、深草も伏見とは別の生い立ちの町なのである

とすれば、困るのは伏見稲荷である
これほど有名になった名前を変えるわけにはいかんやろうね
当時の東海道線が稲荷山をぐるっと回って山科に出ていたのは京都の地形を知ると納得出来るような気もする
深草の少将が小野小町を訪ねた伝説のルートであり、
自説ではあるが大石内蔵助が山科から伏見の町はずれ橦木町(しゅもくちょう)の遊所に通った街道といえば理解しやすいかもしれない
今は名神高速道路が通っている
国鉄開業当時の稲荷駅のランプ小屋が鉄道記念物で近代化産業遺産(H20)にも指定されている
もう一つ、この地がうずらの里と言われていたのを知れば
ここ門前の名物が″うずらの焼き鳥”であることも残していかなければならないかもしれない
(この項続く)
写真は義経号
鯵庵(29.7.30改

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by ajiankyoto | 2017-07-29 20:23 | ご利益 | Comments(0)


2月の始めの午(うま)の日は初午(うま)と言う
稲荷信仰ではこの日を大事にしている
初めて稲荷神が稲荷山に降りたのが旧暦2月の午の日(711)であった
古来から人々は神を恐れ敬ってきた
神の前では身を謹み、供物を捧げるものであった
祈りは神に対する詫びである
詫びながら恐る恐るお願いするものである
それが祈りというものである

稲荷神は宇迦御魂(うかのみたま)神を主体とする
古事記でスサノオノミコトの子とされている、伏見稲荷では女神としている
稲荷神は神仏習合の顕著な神で、かっての時代には荼枳尼天(だきにてん)と習合した
ダキニテンは狐に乗って現れる
稲荷神を狐とするのは大いなる民間信仰である
山城の値の稲荷山は山城の古代豪族秦氏の本拠地の氏神である
養蚕・農業の神である

初午は冬から春への季節の変わり目である
今年は2月12日が初午の日に当たる
元来は旧暦の2月の最初の午の日とされていたが・・それでは3月になってしまう
元来の繰り返しだが、元来は立春を過ぎて最初の午の日としていたという記述も多くある
この場合、新暦の2月になる訳である
このあたりの季節感としてはこちらの方があっているように思う・・安心した

農業神稲荷神の祭としては、農作業を始める前の祈りである
"あらかじめの豊作"をお願いするもので農家の実情に合う
天候不順が一番の禍いだからである
日本の信仰の春の行事はそういう性格を持っている
もちろん今は稲荷山の麓も都市化しており、稲荷神も開運の神、商売繁盛の神でもある
その上、グローバル化、外国人のお参りが一番多い神様でもある
世界中の人が稲荷神の福を競って奪いに来ているようにも見えてしまう
鯵庵(2.9)




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by ajiankyoto | 2017-02-09 08:35 | Comments(0)

JR奈良線のルート


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JR奈良線の複線化プロジェクトが動き出したようだ
このたびの計画では京都から約20キロ(城陽駅まで)区間の複線化工事にかかる
京都駅から宇治駅まで14.9キロm、狭軌である、それがやっと(平成35年完成予定)複線で運行できるようになるようだ
京都・奈良間には近鉄京都線も走っている、近鉄は標準軌・複線である
近鉄は伊勢志摩まで特急も走っており、奈良までもはるかに便利である
今頃の複線化ではJRは相当に出遅れている
この便利な近鉄電車がJRに勝てないのが二つある
以前記事にした伏見稲荷大社ともう一つ宇治の観光だ
京都観光の二つの大きなスポットに駅がない、ルートの都合である

奈良時代からの東海道・北陸道・山陰道に出るための道はかならずこの宇治の地を通らなければならない
この街道が奈良街道(京街道)であり、JR奈良線がほぼ並行して走っている
宇治市は今の行政区域では京都市の伏見区の南に隣接する
宇治の地は平安時代早くから藤原家や貴族の別荘地
平安時代後期(1052)には関白藤原頼道が平等院を建立する

瀬田川沿いの道で滋賀県大津市にも隣接する
そもそもこの宇治川は近江一国の水を集めた琵琶湖の唯一の出口
山間を浸食して流れてきた川が山城盆地にはじめて出てきたところが宇治である
しかもここより下流は山城湖の名残、道も無き大沼沢巨椋池(おぐらいけ)であった
現在の宇治市の行政区域の西半分は巨椋池と言うことになる
風光明媚ということは水の世界、川と湖の世界

末法思想時代には特に極楽も水があっての世界
平等院は必然的に川と湖の境に設けられたのである
明治になって巨椋池の干拓が進み新しい町が出来ていく
それより先に巨椋池を避けて往古の街道沿いに線路が建設された
奈良線は奈良鉄道会社によって建設され、関西鉄道会社を経て明治40年国有化された
もちろん最初から蒸気機関車の走る鉄道であり、特長は狭軌(1067ミリ)である
ただ、近鉄や京阪と違って日本の鉄道軸(JR)につながっている
写真はコスモス
鯵庵(9.14)

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by ajiankyoto | 2016-09-14 08:21 | Comments(0)

黄檗山萬福寺・無常迅速

京都からこの頃外国人で混むJR奈良線に乗る
伏見稲荷が人気らしい、多くの人が降りる
幸運なことに黄檗(おうばく)まで行く人は少ない、黄檗には萬福寺がある
江戸時代に中国から来た隠元が開いた禅宗寺院である
建築だけでなく今も修行や読経には中国風を残しているといわれる
回廊に掲げられた大きな魚板が看板である、開ばんと言う(ばんの字は木偏に邦と言う字を書く)
その他にも数か所巡照板が下げられていた、これも寺での日常の合図に使う、
説明書きには朝夕起床・就寝の合図にこれを打って一山の僧が唱えるとある
謹んで大衆に白す
生死事大にして
無常は迅速なり
各々宜しく覚醒すべし
謹んで放逸する事勿れ

これが5行で書かれているので板の真ん中が窪んですり減っている
その字こそ「無常迅速」(うーじゃんしんそ)である
人生は短く、思いがけずに早くに死が訪れるかもしれない・・と言うことだろう
しかし、どうすればいいのだろうか
無常迅速、時、人を待たず・・と言うのも禅語にはある
早く言ってほしかったナァ、今になって、そう言われても小生も困っている
今日は、数十人の一団が作務衣を着せられ修行に取り組んでいた
黒い靴が下駄箱に並べられていた、会社の研修だろう、今なら真冬よりは楽かもしれない
萬福寺では修行僧は通路の真ん中を歩くことは出来ないと聞いた、両側をきちっと並んで歩く
真ん中や先頭を歩くことが出来なければ、
せめて、道を歩くときは人の邪魔をしないように教えてやってほしい、と思った
この内何人今日の道を歩いて行けるのだろうか?
セミの声も無常迅速と聞こえたら研修の成果あり?
もちろんこの時期研修中のサラリーマン諸君に応援している
写真は件の巡照板
鯵庵(7.31)
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by ajiankyoto | 2016-07-31 08:15 | 往生 | Comments(2)