2016年 05月 07日
京都の庭園は自然志向?
京都で代々お世話になったということで三井家10代当主八郎衛門、男爵でもあった三井高棟が大正天皇の即位の記念事業に京都府に多額の寄付をして完成させたものであると碑文にある
今は北山通と北大路通の間にある
が当時は下鴨、上賀茂二村の間にあった半木神社の鎮守の森であったという
哀しいかな戦後は12年間も連合国進駐軍に接取されていた
あの地に進駐軍の将校の家族の住宅が建設されていた
彼らは森や林の中の家を理想とする
昭和36年今から50数年前に植物園として再開したとある
我が国の自然保護は鎮守の森に始まると唱える人がいる
人々が安直に手を入れることが出来ないのが神域である
たとえ子供の遊び場であっても森が守られてきた謂れがある
船岡山もそうだし上賀茂の裏山や下鴨の糺の森などのことを思えばいい
原生林の名残である
ちまちました庭園を作ったって森や林にはなりはしない
京都へ来てお寺や別荘の庭園を見て、自然が一杯だと感心する人は多い
だが残念ながら、それは大いなる勘違いである
庭園は人工物である、自然とは対極にあるものなのだ
そもそもが都の中は人工物のかたまりなのだ
それが都市だった
都市は時に拡大し時に縮小しその歴史の中で残されたものなのだ
そんなことを考えるときに元鎮守の森だった植物園の木々や花園の意義は大きい
いかに自然に、自然らしく見せるのかと言うことをテーマの一つにしている
ただ、いつもながら・・いかにもそれらしくしようとあっちを掘ってみたりこっちを掘ってみたりしているのは余計なことだと思ってしまう
またそういう工夫したところほど枯れたりする
どうしようもないほど茂ってしまえば植物の勝ちである
そんなところが残るだろう
人間が変に手を加えずに100年もたてば自然と言ってもいいようになる
鳥や昆虫にも優しくなければならない
そんなところは春夏秋冬美しい
写真は植物園でも見ることのできないキクナの花
鯵庵(28.5.7)
by ajiankyoto
| 2016-05-07 20:21
| 都市
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