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いなせな氷屋はどこへ

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町内の店でなくなったものに氷屋がある
昭和30年代の町の暮らしには冷氷庫(れいひょうこ・本来の冷蔵庫である)があった
冷氷庫はだいたい木製で2段になっていた
前面や扉には銅板をはってそれなりに豪華なもので玄関を入ったところにおいていた
玄関や土間におくのは理由がある、
上段に氷、その冷気で下段の食品を冷やすのである、融けた氷は水になるからである

氷屋がリヤカーに乗せて運んできた氷の塊を1貫目(3.75㌔)とか2貫目とかの大きさに切ってくれるわけである、それぐらいしか入らない
そのうちに八百屋の荷車がきてごつごつしたトマトやとげとげのキュウリなどを入れた
余り甘くないまっかも冷やせば食えた
入れるものは最大一日の食品であった

昭和40年代後半になると裕福な家庭には電気冷蔵庫が流行り出した
電化製品が三種の神器(さんしゅのじんぎ)と言われた
テレビ「サザエさん」に出てくる電気冷蔵庫は昭和50年代の東芝製品である
その時にはもう氷屋さんは急激に減っていた
電気冷蔵庫が氷を作れるようになって、家庭用の氷かき器や水割りウイスキーが流行った
冷凍庫が当たり前になり、ドアの数も増えて、どんどん大きく機能的になっていった
今は1週間以上の食材が入っている

30年代に何千件もあったようなあの時の氷屋さんはその後どこへ行ったのだろうか
朝早くから陽が高くなるまでの仕事である
大きなノコギリでザクザク氷を切る姿は”いなせ”である
氷屋さんはもてそうで、子供心ながら憧れたが、大人になったら氷屋がなくなっていた
それでも今も昔も″男は気で持て”と言われている
写真はキンノカエル
鯵庵(8.20)




Commented by ondo-ef58 at 2019-05-22 05:56
お邪魔します。
「まっか」なんて言葉があまりにもなつかしいです。
30年代の冷氷庫の活躍時代がよみがえるようです。

by今では徘徊老人です。
by ajiankyoto | 2016-08-20 06:45 | ハロー・ワーク | Comments(1)