2017年 08月 02日
日本は土木国家である
しかし毎回いつでも初めてのことである
巨大な災害などが起こると平和理論で右往左往ばかりすることになる
それを、危機管理と言うが、起こらなければわからないのも災害である
想定外が危機管理とも言える
日常の警察力や消防力だけで対応できるものではないので、
自治体の要請に基づく自衛隊の災害派遣となる
自衛隊には必ず兵站(へいたん)部隊がいる、自前で完結できる力がある
物資の輸送が途切れたりしたとき行政組織の応援部隊は無力化する恐れがある
役に立つボランティアだけに機嫌よく働いてもらうための訓練が出来てる自治体はない
応援の医者だって食事も睡眠も出来なければ病気になる
災害復旧には三つの力がいると思う
一つは初期対応の専門家集団、ただ知事・市長だけでは心もとない
二つは警察・消防・保健・医療の機動力である、自衛隊はこれを手助けしていることになる
三つ目は土木力である
我が国は元来災害の多い国である、それでも国土の維持は民間の土木力に頼ってきた
九州は台風などの災害復旧に慣れた小さな業者が多いのは良い点だが、だがそれでは機械力も資材も足らない、一番足らないのが指揮力である
このところ十数年、政治と国民が公共事業とゼネコンを苛め抜いたためにゼネコンは動かない
ゼネコンを働かせることを提案できる代議士や首長は既に脛に傷を持っている
その間にゼネコンの技術も下請け関係もぎくしゃく錆び付きかけている
今はゼネコンも利益率の低い公共事業や自治体の仕事は見向きもしない
政府は今回も大規模な災害復旧補正予算を組んだ
しかし、危機管理も災害復旧も景気刺激もスピードが全てである
なのにまた、緊急な大規模復旧工事に着手出来るには数年かかると言われる
その足を引っ張っているのが発注者・契約者である行政そのものなのだ
人と技術と膨大な工事費の立て替えを出来るのは土木をになってきたゼネコンである
唯一、近代国家になってもずっと民間の中に培ってきた国力なのだ
ゼネコンの資金ではない、国土を守ることのできる土木の技こそなのだ
こんな時には国にも各地にも傑出した政治家が存在することを祈るだけなのだ
写真は眠れるカバ、しかし強大なパワーの持ち主である
鯵庵(29.8.2改)
by ajiankyoto
| 2017-08-02 10:53
| 都市
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