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マスオさんの夢が見えない

アニメ「サザエさん」の主役はマスオさんである、と言うと一応異論が出る
いや波平だという人もいるし、やっぱりカツオだという人もいる
サザエは所詮狂言回しである、だから、そんなに大した女には作っていない
新しい家族のあり方として”妻の家族と同居する”というパターンを作った
そういう風潮を先取りしたのがアニメ番組としての成功の基だと思っている
大阪育ちのマスオさんが一度も大阪弁を語らない
もちろん、博多育ちの波平さんやサザエも博多弁を語らない
東京に出てきた途端に東京に帰化している
徹底的に家族平和を求める家族を描くようになったのはアニメのスポンサー東芝の戦略であった
数十年も前に始った長谷川町子女史の「サザエさん」という風俗(風刺も)漫画は朝日新聞の販売促進であった
女性原理で家庭を作っていくとこうなりますということが受けた訳である
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家でも会社でも戦わない論理は平和主義の女性原理から来たものである
日本の女性は昔からそんなこと折込済みだったのだ
男どもは甘えて威張ってればいいのに、急に理解のあるようなことを言う
そんな男の相手をすることは日本女性にとって物足らないことなのに、気の利いた女性は決して言わない
その役をしているのがマスオさんである
ただ、マスオさんは磯野家ではない、磯野家の平和には貢献するが、それでは大阪人フグ田家の明日が見えない
ただ、家でもう一人の母親みたいな男の背中ばかり見せられたタラちゃんは不幸である
かくして男性原理は廃れ、男も女も女性原理的平和主義と平等主義で生きていくことになる

ならばと言うことで波平さんを前時代のがんこ親父に作ろうとしている
が、作中、波平さん自体が出来が悪く軟弱である
会社でやったことのない頑固おやじを家族にやらしてもらうことこそ軟弱の極まりである
フネさんは絶対に主役にならないことを信条としている
だから、家庭調和と言うのです
そのかわり日本女性はこんなものでいいのです、とばかり言っている
が、小生は悲しい、それでは親を超えられるいい女性が育たないのだ

言いかえれば白物家電の世界です
日本の技術史では、洗濯機も冷蔵庫も必要に応じて出来て来たことを強調しているが、電化製品を家庭に普及させるのは別の戦略がいる
家族は家電製品の進歩に合わせて進化していきましょうねと言っている
東芝ゆえではない、全ての国民がそのことに慣らされた
電機メーカー東芝は日本唯一の原子力メーカーでもあった
原子力メーカーと原作の持っている風刺と言うものが両方とも消えてしまった気がするのだが・・アニメに対しては言い過ぎだろう
都市伝説の一つにマスオさんの浮気の相手は〇〇アワビという若い女性らしい
そんな話がテレビに出てきたら面白いね
♪そう、はじめて自分を生きる・・(吾亦紅から)
そこまでは期待できないけど・・
東芝がスポンサーを下りてどう変わるかが興味深いのも事実だ
鯵庵(2018.6.10②)

by ajiankyoto | 2018-06-19 17:30 | 家族 | Comments(0)