人気ブログランキング | 話題のタグを見る

名水桃の井/京都の酒

名水桃の井/京都の酒_b0355451_10015664.jpg


堺町通り二条上るの堀野記念館の続きである
キンシ正宗のキンシとは金鵄勲章の金鵄である
酒屋は名前にこだわるが名前が酒の味を保証するものではない、が、
水は間違いなく酒造りを左右する
この庭には名水〝桃の井″(硬度30度以下、水温16度)といわれる井戸が残されている
今も酒造りに適した水である
酒造りに適した水と言ったって特別な水ではない
この辺りでは隣の家も路地の住民も井戸さえ掘れば桃の井と同じ水を生活に使っていた筈
都の生活は井戸で保たれていた筈だ、名水と言われながら保護が出来てなく枯れかけているのは逆だと思う
都市の名水とは〝ふんだんにありふれた、それでいて安全な水″のことを言うべきものだと思う
丁度ご近所の奥さんが汲みに来られていたが、ペットボトル1~2本なら家族のための美味しいティーに変わるのだろう
ここは友の会を作っている、そうすれば守る気が起こるというもの・・、だからこそ守る必要があるのだと思う

京都の造り酒屋の起源は洛中、特にこの二条の付近にあったとの話である
キンシ正宗も明治の中ごろに伏見に移転した
たまたまここは本家の家屋が残っていて記念館にすることが出来た
今は、桃の井の水を使って地ビールを作っている

キンシ正宗に限らず洛中にルーツを持つ酒蔵も多い
京都の組合の資料によると、組合の最初明治19年には組合員の酒造家は上京と下京で165軒、伏見よりはるかに多かった、と言うことだか、市内での酒造りはこの頃を潮目に伏見に移っていく
実は江戸にかけて伏見の酒造業は極めて低迷するが、鉄道の発達により逆に伏見の酒造業が盛り返す時期でもあった
それで、今はというとなんと市内(洛中)ではたった2軒になってしまったということだ
佐々木蔵之介の、「聚楽第」の佐々木酒造もブログを始めた
洛中最古、「富士千歳」の松井酒造の元気美人若女将の蔵元便りも面白い
また機会があればこの2軒の探訪記も書けたらと思ってるのだが・・
写真は金鵄
鯵庵(9.5)


by ajiankyoto | 2016-10-05 08:20 | 京都の水 | Comments(0)