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ウスバキトンボも赤とんぼなのだけど・・

ゴルフが好きな大阪の友人が飲んで語る
秋は天気がよくて気持ちいい、「赤とんぼ」と一緒にプレイが出来て自然を満喫してきた
そんなこと言うぐらいだからスコアーは悪かったに決まっている
ただ”自然派ゴルファー”を自認してるだけのことはある
ただし、「それは赤とんぼと違うで!」と小生が突っ込んだわけである
それははるか南方で羽化し台風などによって飛んできた「ウスバキトンボ」
ウスバキトンボは進化したトンボで日本でも約1月で羽化する
日本へ来てからも世代を重ねているのだ
そうしながら日本列島をどんどん北上してちょうど秋になれば一番数が増える

赤とんぼイコール「アキアカネ」は秋になれば里に下りてきて田んぼや湿地に産卵する
卵が湿地の土の中で冬を越す、春になって孵化するヤゴは脱皮を繰り返し6月頃に羽化するが、羽化したらすぐに高い山に上って夏を越す
そして秋に交尾して産卵したら冬に死滅する、そんな一生を暮らす
赤とんぼが激減している、という
2000年頃から減りだして今は一時の1000分の1にまでになっている
赤とんぼを見れない地域が増えているのだ
赤とんぼは私たちの祖先が稲作を始める前から日本にいたトンボだけど
稲作とともに生息環境が増えて日本列島に広がっていった
日本は赤とんぼの国だった
しかし、稲作は続いていてもアキアカネが生きていけなくなっている

そもそも播州龍野の”夕焼け小焼けのあかとんぼ・・”(三木露風作詞)もウスバキトンボかもしれないといわれるぐらいなら
ウスバキトンボを赤とんぼといっても差し支えないのではないかと友人の反論である
ごもっともな話ではあるけれど
外国から日本に来た人が見分けがつかないからと言ってどっちでも同じでないかというの?
ウスバキトンボもアキアカネも冬になったら死滅してしまう
ウスバキトンボは南洋の方で暮らしていてまたやってくる
しかし、アキアカネは日本の水田や湿地で卵で暮らしている
日本の水田で子孫を保とうとするものと同じではないかというのは違う
しかも、我々が手を下して激減に追いやっているのである

それ以上のことを知らないのだから、話はそこまでである
もちろん彼と喧嘩した訳ではない
「それらしい景色にウスバキトンボさえおればいいじゃないか言うのは違う」と意見が一致した
ウスバキトンボも赤とんぼなのだけど・・_b0355451_09343214.jpg
(大阪のカルチャーで話を聞かしていただいた井上先生の本、環境の多様性がトンボにとって自然だと教えられた)

多くの人が殺虫剤だらけのゴルフ場をウスバキトンボが飛び回るのが日本の自然だと感心している
日本の街や里の文化だけでなく、至るところでたった数十年前の自然すら激減しているのを見ないようにしている人が多くなった
鯵庵(28.11.4)

by ajiankyoto | 2017-10-30 07:52 | 自然 | Comments(0)