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あなたの三尸(さんし)の虫


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八坂の塔(法観寺)のそばを通る道、その八坂の塔の反対側にあるお寺
天台宗の寺で金剛寺(こんごうじ)八坂庚申堂という
奈良の奈良町へ行った人は知っていると思う
奈良町は庚申(こうしん)の町である
あのサル(みがわりのさるという)は庚申の神の使いである

京都ではここへ来ればあのサル(くくりのさるという)を見ることが出来る
現代人は庚申信仰はほとんど馴染みがないものになってしまった
庚申(こうしん)とは60日に一度巡ってくる「干支」の庚申(かのえさる)の日
1年には6から7日ある訳でこの日を特別な日とする信仰である
この庚申信仰のご本尊にあたるのが青面金剛(しょうめんこんごう)
道教やら密教やら民間信仰やらが集合したご神体である、仏典には見当たらないご神体である
仏教では日吉(ひえ)信仰と、また、神道とでは猿田彦神(さるたひこしん)と習合した
ともに猿に縁があり、そこからサルが庚申信仰の使いとなる・・・と言うのが一般的解説である

人の中には「三尸(さんし)の虫」が潜(ひそ)むと言われる
上尸の虫は頭、中尸の虫は胸、下尸の虫は下半身の病を引き起こすとされる
日本に伝わった
この虫こそが美食や色情などの欲望に執着する気持ちを起こすという
庚申の日にはこの日眠ると人間の爪先から体内を抜け出して、
その人の罪を天帝(北極星あるいは閻魔大王)に告げに行くとする

天帝は人の寿命を定める
そのため虫が出ないように夜更かし身を慎んだという
残念ながら性行為は特に禁忌である
眠らないための雑談ばかりで朝を迎える
室町時代に伝わって後、江戸時代には庶民にも夜更かし徹夜する風習(庚申待(こうしんまち)とか庚申講(こうしんこう)とか)が庚申信仰として広がった
八坂庚申堂の今年(2016)は12月4日が納めの庚申である

ついでながら、「見ざる聞かざる言わざる」の三猿は自分への戒めである
因みに、虫の知らせの虫はこの虫である、腹の虫も・・
鯵庵(12.2)



by ajiankyoto | 2016-12-02 08:02 | ご利益 | Comments(0)