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「おさん茂兵衛」落語編

江戸期天和年間(1683)、京都四条烏丸(しじょうからすま)にあった大経師(だいきょうじ)家
そこの嫁・おさんが手代の茂兵衛と不義密通(ふぎみっつう)
丹波への逃避行の末見つかって京で磔(はりつけ)にされた事件のこと
井原西鶴が「好色五人女」に「中段に見る暦や物語」で書いた
それを、近松門左衛門が浄瑠璃の戯曲に書いたのが「大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)」
暦の名ではない、おさん茂兵衛の話である
「おさん茂兵衛」落語編_b0355451_09383641.jpg
話は脇にそれるのでお許しあれ
この事件を揶揄した艶笑噺を桂米朝がしていたのをネットで見つけた
ただこの話はおさん茂兵衛の事件とは直接の関係はない
この話のおさんはただの表具師茂兵衛の妻だ
壁越しで隣の男と付き合っている
ひょんなことから隣の男の物が亭主茂兵衛の鼻にくっついてしまった
世間にも出られないし、医者に頼んでも取れない
ということで京都の奥鞍馬の大天狗に頼みに行くわけであるが・・
一心に祈る茂兵衛の物がいいので天狗もひれ伏すというたわいのない話である
落ちは「わいのは素惚けや」という天狗の言葉である
小生が言ってるのでない米朝が言ってる

もう一度話が飛躍するが・・
1月中旬の大雪で市内でも14センチの雪が積もった
奥深い鞍馬線の鞍馬駅から見える天狗の鼻が雪の重みでとれたという
そんなニュースを聞いてこんな話を思い出した
張りぼての天狗の鼻では大雪の重みで折れることがある
芯を入れとかんといかんかったんではないだろうかという話である
この落語の落ちで使われた「素惚け」という言葉がなんとも柔らかくていい言葉だ
ボケには「呆け」もあれば「惚け」もある、
人を型にはめて医者の言うまま「〇〇性認知症」だとか言う風潮に比べれば人格が残っているではないか

暦の話や「おさん茂兵衛」の事件のことについてのコメントは改めてします
絵はお土産にもらった鞍馬の佃煮店「京くらま林」の包装紙をうつしました
鯵庵(29.1.19)

by ajiankyoto | 2017-01-19 08:20 | 大人の恋 | Comments(0)