2017年 02月 06日
「結(ゆい)」と共同作業
〝結い(ゆい)″という
小さな集落単位自治組織で共同作業などを行う相互の扶助組織を言う
厳密には、自分では出来ないことをなすのが目的
「結(けつ)」と言う字は結(むす)ぶ、結(ゆ)う、束ねる、約束する、という意味がある
以下どんこ氏のお母さんから聞いた話も含む
三十数年前にどんこ家の茅葺(かやぶき)の家の解体をした
本来はカヤを葺き替えるのだが、財力がなく解体となった
十数軒の家の男・女たちが手際よく働いてくれた
それが〝結い″である
もちろんこちらも何度も手伝いに行っている
昔は田植えだって多くの人力を必要としたが、トラクターや田植え機の普及で早くから、手助けは要らない
ここらではそれから茅葺の修理をすることもなかったのでどんこ家での解体がほぼ最後であった、という話
茅(かや)の葺(ふ)き替えは準備から入れたら何年もかかる
一世代で一回あるかなしだと言う
山に萱(かや)の場所もあったが今はそれもない
茅葺(かやぶき)は専門職人でないと出来ない作業になってしまっている
三十年前の人はもうほとんどいない
解体の段取りだって今は分かる人はいない
茅葺の上にトタンを巻いた家がまだあるので取り壊しの時には・・・と言うが、
恐らく業者に頼んでクレーンで綺麗にやってしまうことだろう
結いとは〝互いの約束″だけど、長い年月で約束を果たす機会がないと結いは存在しない
山里から沖縄まで我が国は「結い」の集落だった
結いは平等な組織だ
この頃は田んぼも減反も共同作業だ
出なけれは金をとられるし、一方男しか出来ない仕事は大きなトラクターで何人かでやってくれる
特産の黒豆作りの作業にも年寄りはもう参加出来ない
家族で食う2~3人分の米を受け取ったら共同作業の収支は限りなくゼロに近い、と言う
国の金を使って耕地整理した田んぼで農協の指導の下に固まって共同作業をしている
共同作業には必ずいいリーダーが必要だ
都市に近い農村は共同作業から農業法人(株式会社)に変わろうとしている
似てるようだけど、それは〝結い″とは別のものとどんこ氏も言う
立春が過ぎたら、ぼちぼちトラクターの整備が始まる
多くの農家はまだ何もすることはない
どんこ氏とは退職後田舎へ帰ったチームの仲間(友人)である
鯵庵(2.6)
by ajiankyoto
| 2017-02-06 08:33
| ハロー・ワーク
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