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行列までしていく店ではない



「死ぬまで商売はやめられない」に続く

商店街のカレー屋のことを書いた
今時、チエーン店でないカレー屋そのものが珍しくなった
何んとか応援したい気はあるが、あの店構えではそう長く商売を続けられるとは思わない
改装したら客は来なくなることが目に見えている
メディア情報がはやる店を作っている

カレー屋ももともと近所の商店の馴染みだけで結構にぎやかだったのだからまんざら嘘でもない
ただ行列など親の代からなかったのに、ひょんなことから情報誌などで紹介されたからである
雑誌も決して「行列してまで行ってみたい店」と紹介したわけではない
しかも、雑誌だからこそで、テレビでは見栄えしなかったと思われる
美味しらしさはB級にありとB級グルメがはやる
それでもみんなが知ってるもんではアカンということで、C級(?)の発掘を狙う
あの店も調査したという記者のたまたまの大穴だったのだろう
地雷を掘り当てたという方が当たっているかもしれない
近所にサラリーマンが多かったという地の利が効いた
ワイシャツを着ては入らなかった客に動機を与えた
新しい客は、"汚いけど愛想が悪いけどだからこそその分美味しかった筈だ"と自己暗示をかけて帰る
一度くらいは友達を連れても来るだろう
記者は、嘘か本当かの調査をしているのではなくなんとなくの確からしさを求めて彷徨(さまよって)いる
結局最後は世間の裏をかく

特に雑誌やテレビへの売り込みに必死になってる店と反対を狙った
〝より確からしさ″だと言えば嘘が嘘でなくなってしまう
・・こともあるのではないか
そのかわり以前の商店街の馴染みの客は他所へ行ってしまった
忙しい人がいつまでも並んでランチを食う筈はない
客は増えたがさみしい店になってしまった

というのがコンサルタント業の友人の話である
小生はサラリーマンを辞めてもうそのあたりをうろうろすることはないけど
もう一度食いたいとも思ったことはない
鯵庵(4.1)




by ajiankyoto | 2017-04-01 07:29 | 大衆食堂 | Comments(0)