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がんこ氏の場合⑵


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ブログに向かない話を続ける

実は・・と、がんこ氏語る
車椅子1年ぐらいで奥さんが耳元で囁くようになった
〝別れてくれ、別れてくれ″と
奥さんに甘えてばかりのがんこ氏には最初は何を言われているかも分からなかった
しかし、奥さんの気持ちがそうであるなら仕方ないと思うようになってしまった
男の気持ちである
1年や2年で別れたわけではない
がんこ氏が自分一人でも暮らせるまでの回復を待ってである
病気しなければそう思うことはないけれど、今なら自分も、杖ついても自立できる
長い間こんなわがままを許してくれただけでも感謝する気持ちが先になってしまった
昔は助けたけど、これからも助けられるとは限らない
しかし別れてしまったらこちらは助けない
男としての結論だった

ほぼ、年令並みの健康を取り戻しつつあるがんこ氏、寝たきりになることが一番怖かったという
血管の病気はどちらに転ぶか、だと
がんこ氏はこちら側に転がって今がある
動けることが嬉しい、と言っていた
仮に寿命というものがあっても、戦争(わが国ではあまり現実性はないが)や事故だってあるし、不摂生がなくとも大病を患うこともある
それでいながら、ここまで来られたのは車に例えれば心臓というエンジンがよかったのではないかという意味のことを言った
ならば修理してまだ使えるうちは何度でも修理して使うべきであると・・

人生の終末をどう過ごすか、と言うことを思わせられる日々だという
奥さんの方の寿命が長い
今はよくても離婚の夢も破れやがて齢とって腐ることもある
極端な言い方をすれば、別れてから年をとっても夫婦一緒に年をとっても、どちらか先に死ぬ訳だから結末は同じことだと言える
自分の家で一人で暮らす人もおれば、自宅を空にしてここで暮らす人もいる
この施設にだって・・自宅を売って来た人もいる
生活保護で最後にここで暮らす人もいる
やっと安住の地を得たという人もいるし、何故に自分はこれほど程不幸なのかと毎日心ざわめく人もいる
ここへ来れば過去のことは同じになってしまう、思わせられるとがんこ氏は言う

この項続く
鯵庵(5.6)



by ajiankyoto | 2017-05-06 06:48 | 健康保険 | Comments(0)