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大津から京へ入る道⑸/琵琶湖疏水でつながる


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蹴上の琵琶湖疎水にある田辺朔郎博士の銅像
20代の若き土木技師である。
土木技術は市民のための技術だということを身をもって実践した人である
技術者は偉人でなくともいいが恩人と言われる人になるのが市民文明に携わる技術者の使命である
土木工学のことをシビルエンジニァリングという
琵琶湖疎水の工事はこの牛車の通行を見ながらの工事だったのである

京都の恩人田辺博士には見えていたのではないか?
車両を安全に走らすには軌道が必要である
水力から電力を生む
土木工事は人力に頼らざるを得ないとしても、人を運ぶのに人力の時代は終わっている
まだ自動車はないわけである
鉄軌道である。
電車を走らすことにしたその発想の下地はこの車石文化(軌道文化)だったと言えばあなたはどう思いますか

この電気と言う動力のお陰で、京都は錆びない、滅びない古都(観光都市ではない、近代日本で最初の工業・商業都市)になり得たのである
彼だけではないとしても多くの恩人の一人である
多くの歴史を包含する重厚な地層を持つ京都の文化がある
その地層が地面にあらわに出てきて今の京都がある
そのことの恩人であるからだ

戦後に国際観光都市の仮面をかぶってしまったため
近代化都市として京都を語る機会が少なくなっている
都市のありかたを考えるのが政治と都市土木技術である
今年は明治150年、今も日本は土木国家の筈なのである

大津から京へ入る道のシリーズは一応今回で終える
鯵庵(8.4)

Commented by m-masako77 at 2017-08-04 08:29
京都は国際観光都市だと私も思います。
でも近代化都市として京都は私には想像できません。織物でも昔からのやり方でやっているでしょう。美味しいお菓子も手作りが多いでしょう。どういうのが京都の近代都市なのか知りたいです。勉強してみます。
by ajiankyoto | 2017-08-04 07:13 | 車石文化 | Comments(1)