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がんもどきの"もどき"は謙遜語なのだ

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「がんもどき」は「雁擬き」と書くが、あまりしっくりこない
近畿地方では”ひろうす”と言うとあるが、これも同じである、インパクトがない
何んとしても語源の意味を説明したいようだが、何を聞いてもしっくりこない
嵯峨の釈迦堂近くの有名豆腐屋は観光の客も多い
店前で豆腐を手で食っていた食通も時々見られるが、それならがんもどきの方がいい
「油はいいのを使ってます」とちゃんと広告している
一つ200円(スーパーの倍ぐらい)ほどで買える、京都豆腐の″がんも″ならいい土産になるのと違ぃまっか
京都は粗食文化の町である、歴史的にも公家も武家も商家も庶人もずっと食事は粗末だった
精進料理も懐石料理も粗食文化である、その粗食の味を古い京都の人は知っていた

一方、実は日本全国、豆腐の国であった
そんな中で考え出されたものが、がんもどきでもある
豆腐に・・人参・牛蒡・木耳・かじめ・山芋・百合根・銀杏などが入っている
全て、主要食材である、それを油で揚げる、それをまた煮て食えばまさに一等賞である
粗食と言えば貧しいと思うのは貧しさしか知らない心である

粗食でいいんだと思えば、料理は工夫次第なのだ
そうして発展したのが料理文化なのだ
がんもどきは粗食の中でもぜいたく品であるのかもしれない
京都の人はだから”がんも”と言った方に愛着を感じている

豆腐やがんもどきを買いに嵯峨まで行く人はいない、町内の豆腐屋のが一番旨い
世の中”もどき”ばかりのこの世の中で裏切らない”もどき”が”がんもどき”である
がんもどきの”もどき”は謙遜語の”もどき”である、これがもどきの擬きたるゆえんである
と言うのが小生の論である
これとは反対に、選挙が終わっても世の中の"もどき"はまだ続く
鯵庵(10.22)


by ajiankyoto | 2017-10-22 09:58 | 京都の水 | Comments(0)