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京都の淀み

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昨日も今日も昼も夜も、花見小路は人で一杯である
観光とは言うけれど一体ここで何が見えるのだろうか、京都の人にはわからない
市民にはあまり用事のないところでもある
祇園社の門前から広がった茶店がいつか遊女の街になり
またいつの間にかお茶屋と高級料理屋があちこちの街になった
300年もたてば結局は京都の高級観光ストーリーとなった訳である
お茶屋や芸者屋も外人観光客に店の中を覗かれ、
芸妓や舞妓は指をさされ、袖を引っ張られて写真を撮られる

この頃はついに婚礼写真の業者が闊歩しだした
またそれを外国人もマネをしだした
そこまで行くと花魁(おいらん)の格好の花嫁も出てくる
プロのカメラマンというのはほとんどがそういう仕事をしている
カメラを食うために使うのだから、客にあわさねばならない
写真を芸術や技術として学んでしまった逆の結果である
そんなことではすでにレンタル着物業者が先を走っている

人気上昇気味の祇園新橋の地元は業者にマナー向上を言うけれど、プロの婚礼写真業者にマナーは通じない
逆に、アマチュア写真家が排除されるようになっていく
今までも振袖や花魁(おいらん)文化が京都の着物産業を支えていたかもしれない
花魁って何か知ってるのだろうか
女性にとって哀しいことを少しでも無くしていこうというのが歴史の血でもある
でも逆に花魁まで行ってくれればレンタル着物も3倍儲かる
産業をということはそういうことだという

京都は底の方に淀むものがいつかクローズアップされる
他の都市は底をさらえてしまったのに京都だけがそこにヘドロがたまっている
それをかき回したりして、そのメタンガスが今受けている
それが伝統だと皆(?)が言う
それでいいのだろうか
鯵庵(30.2.12)

by ajiankyoto | 2018-02-12 10:06 | 京都の水 | Comments(0)