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ハトの方がたくましい

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早朝勤務で駅前のバス停にバスを待つ
やっと薄明るくなってきたころ
数人しかいないバス停でハトを寄せる老女がいる
ハトを寄せておいて餌を撒いて自分はバスに乗っていくのだ
パンの耳などを上手く細かく切っている
この前小生の他にもちょっと注意する人がいて少しトラブった
「あんたに迷惑かけてへんやろ」と言って喚いて
それも論理か

その老女にひょんなこと職場の近くの結婚式場の前で出くわした
確かにあのご婦人(老女)だ
古めかしい大きな建物の玄関をだぶついた作業服を着て
連れと箒と雑巾とバケツをつんだ台車を押して掃除していた
結婚式場なら確かにバス待ちの人には関係のないことであった
晴れ着を着たお客さんはこんな時間にバスに乗るような用事はない
ただ、駅前のバス停はハトで困っている
ハトが悪いのではない
ハトもこんなとこに来なくともちょっと飛べば近くに東本願寺もある
そこならハトを取って食おうという人は少ない
こんなところにハトを寄せて早朝に餌を撒くことはハトを罠にはめることにはなる

それで分かった
掃除が仕事なのだ
だから、ハトを寄せてるのだ
朝早くから出勤して、あけても暮れても掃除なら・・
掃除ばかりの今の老後(人生のこと)に疲れているのだろうと思った
バス停をまた掃除する人がいるのだから・・時々汚す方にも回りたい気もする?
年とって仕事ばかりしていると世の中のきれいごとに無性に腹立たしくなることもある
あるいは彼女もはや晴れ着を着ることがないのを哀しんでるのかもしれない
いずれにしろ公園で子供がハトと遊ぶのを見ている年寄りとは違うのだ

必ずしも幸せな年寄だけではないのはあたりまえのことなのだ
女人の往生は一筋縄ではいかんかも・・?
と、小生も少し穿って思ってみた
鯵庵(30.3.12)

by ajiankyoto | 2018-03-12 21:13 | 往生 | Comments(0)