2018年 05月 11日
醍醐の水と花/伏見街道

京都の名水の一つに選ばれている
上の醍醐の山上で湧いているもんで、健脚でないとそう易々と味わえるものではない
お寺の霊水でもある
ただ、下の三宝院まででいいという人には、ペットボトルに入ったものが売られている
広告によれば超軟水(硬度15程)、1本300ml、200円である
24本入ったケースならインターネットで注文も可能である
この世の中今になって宅配の水も商売になる世界だから、一度霊水醍醐水を頼むこともいいかも・・
お茶を入れれば天下人のお茶の味に近づくかもしれない
閑話休題(それはさておき)醍醐の山上に湧いた醍醐水の水滴は醍醐のせせらぎとなって
山科盆地の山科川を経て伏見で淀川に入る
伏見から淀を下って大坂に至る
この川筋は秀吉が自分の大河に置き換えたかもしれないとしたら面白い
天下を取る醍醐味というシャレになりそうだ
歴史上の醍醐の花見は旧暦慶長3年3月15日のこと
満月の日、新暦(グレゴリオ暦)に換算すると1958年4月20日になる
20日に花見では少し遅いのではないかと思う人がいるかもしれないが
醍醐寺のサクラもヤマザクラやシダレザクラだったと思われる
ヤマザクラは奈良時代から盛んに平地に持ち込まれた野生の桜
元来は成長が遅く大木になる
日本全国サクラは自然交配で多くの品種があるが
当時は多くは野生、豪気な花見を演出するには絶大な権力が要る
秀吉は下醍醐寺の三宝院などの伽藍の整備に長年力を注いでおり
あわせて、各地の多くのサクラの木を運び入れたと推察できる
その権力の表現が花見であった
花は神であるという当時の人たちの信仰を土俵にしたものだと思うべきである
家族に恵まれなかった秀吉の一族の花だった
この年8月に秀吉没す、秀吉にとっても一世一代の花見だった
水と花の饗宴だった
この2年後にはもう天下がひっくり返った