遺言か遺書か/吾亦紅⑻


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遺言はあくまでも法律によって定められた方式に従っていなければならない
普通は「普通遺言」である
自筆で書く遺言と公正証書で書く遺言がある
公正証書は公証人という厳格な人が証人になってくれる
公証人役場というものを知っておく必要はある
自筆の遺言状が出てきたからといって開封してはならない
そのまま、家庭裁判所に持って行って預けて現認を受けなければ無効になる
ただ、公正証書なら現認は必要ない、開封しても有効である

遺言状が複数あると、全ての遺言状の現認を受けなければならない
これが極めて手間な話である
現認とは遺言状の存在を全ての相続人に知らせることだからだ
ほとんど相続協議が始まっていることになる
安物のドラマのように、それぞれが自分に都合の良い遺言を持ってきて相続争いをすることはない
あくまでも日付の一番新しい有効な遺言状だけが遺言なのだ

娘たちが病院へ見舞いに来る日数でたびたび遺言状を書き換えていた人を知っている
そんなことでなくとも・・我ら兄弟姉妹にも同じようなものだ
妹は親が末っ子を最後まで均等に扱わなかったと言って哀しんだ
また姉はこの遺言状は父の本心と違うと言った
開封した父の遺言状にはきょうだい仲良く、「姉・妹達にはその都度出来るだけのことをしてやっているから気にするな」と書いてあった
その父の気持ちを含んで小生が相続協議書を作成した
ほとんど場合全員の納得はあり得ないものだとは思った
しかし、一番割り切れない思いをしたのは最後まで父の病気の介護にあたってくれた小生の妻である
遺言はそのことにはふれていないし、姉も妹も最後までそのことへの感謝は口にしなかった
書くならもっと記憶に残る刺激的なことをと、思う
ただ、兄弟仲良くという父の気持ちは心にしみこんでくるが、遺言としての意義はない
この頃はそれももういいのではないだろうかと思う

葬儀の費用の支払いや香典の開示で兄弟のもめ事に巻き込まれることが増えてきたと葬儀屋も言う
親が亡くなった時が兄弟の分かれ目だと思う
親がいなければ帰るところもないし、孫から見ても家族がいなくなってしまうのだから
どうしても遺言したいなら、弁護士なり公証役場なりに足を運ぶことだ
そうでないと人生最後の遺言が無効だったり・・反対のことになったりする
遺言に最後の説教を書いたうちの父親が正しかったのかもしれない

法律用語では遺言は「いごん」と発音する
遺言(いごん)と遺書(いしょ)とは違う、遺書には書式がない
小生のように毎日ブログで遺書(のつもりで)を書いていけばいいのだ
ということでこのシリーズまだ続く鯵庵(30.5.27)

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by ajiankyoto | 2018-05-28 08:34 | 家族 | Comments(0)