伝説玉藻前(たまものまえ)

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美福門院と言う極めて高貴な女性の内面を研究することは歴史研究ではない
しかし、日本の歴史は政治史である限り
その政治の中に登場して、その地位にいて政治の向かう方向なりに関与することが出来たとしたら明らかに歴史になる
歴史を動かすことのできた女性には大きく二とおりある
一つは国を守った女性である、例えば新羅討伐に向かった神功皇后のように・・
また、一つは"いわゆる傾国の美女"である
傾国とは国を傾けるほどの・・ということだ

日本史の物語の中では例えば日野富子や北条政子などがあげられる
その先駆けをなした
この美福門院は女性としての持ち技だけで上り詰めた人である
あらかじめ言うといわゆる悪女である
悪女と言っても明確な定義がある訳ではない
絶対権力者に絡むことよって多くの悲劇を作り出した
困ったことにそういう性癖の女性は古代から現代までいくらでもいる
人を不幸にしたり、家を傾けたり・・だが、帝の母ということになれば別のことなのだ
女性は仏になれない?女性が成仏するためには5つの差しさわり(五障)があると経典にもある
どうしてもそういうことを思い出させる女性である

こちらの方が説明しやすいかもしれない
殺生石というのがある
能や芝居やお伽草子などにも出てくる
昔、中国に金色の九つの尾を持った狐がいた
皇帝を虜にしていたが、正体を見破られ逃れて日本に渡ってきた
日本では玉藻前という美女に変身して時の鳥羽上皇の寵愛を受けた
が、陰陽師阿部某に見破られて東の方那須の原に逃げたという
その後上皇は武士に退治を命じたが、この時妖怪狐は石に化けた

それがまだ悪霊となって悪さをするので殺生石と名付けられた
時の僧、玄翁(げんのう)は錫杖でたたいて割った
これで悪霊はやっと成仏することが出来た
この石のかけらで地蔵菩薩を刻んだ
時を経て・・その一体が京都の真如堂の鎌倉菩薩として伝わる
真如堂にも伝わる伝説である
能や芝居でこの妖怪女狐玉藻前というのが美福門院得子であるとささやかれているわけである
狐にとっては明らかな冤罪であるが、玉藻の前の発想は明らかに美福門院である

この伝説の中では寵愛をした方の罪はここでは言っていない・・・
崇徳院シリーズその11
鯵庵(30.7.9)

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by ajiankyoto | 2018-07-09 09:36 | 崇徳院 | Comments(0)