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鳥辺野(とりべの)は清水寺の下/京都の盆の過ごし方

遺骸の処理方法は風葬・水葬あるいは土葬とか火葬とかがある
まず最初は風葬だった
この鳥辺野は平安京の葬送の地であった
都が出来た頃は都の中に死骸を放置することは出来ない
鴨の河原を渡ってここまでくる間に河原に放置された遺体も多かったろう
鳥辺野まで来ると水に浸かることがないのでそのまま放置したり埋めたりしたのだろう
ここまで持ってくれば自然の動物や鳥やバクテリアが有機物を処理してくれる
都の穢れに対する措置であった
遺骸や遺骨に対する執着はなかった
鳥辺野、音羽川渓谷の上に立つのは清水寺であった
都が出来る前からその地獄のような様をずっと見ているのは清水の観音であった
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人の死骸を焼いて灰(骨)にするにはどれだけの時間がいるのだろう
何よりもその労力と燃料だけでも相当な量になるのだろう
やがて、仏教の影響を受けた火葬が行われることとなる
が、しかしそれはあくまでも限られた人であったはずだ
仏教思想によるものでもある
宗教に本来宗派はない

現代の京都市民の100%が火葬にされる
京都市の中央斎場はこの清水寺の少し南、阿弥陀が峰の山科側にある
この斎場の焼却炉の形式はロストル式(火格子の意味)を採用している
この炉は火葬時間が短く済み(50-90分)、連続火葬(5回転/日)が可能である
全国的にはこれと違って台車式焼却炉が主流であるようだが・・
京都市は全国に極めて少なくなったのを踏まえてこのロストル式焼却炉を続けていくということだ
現代の火葬というのも実は極めて高度な技(わざ)に支えられている
火葬の歴史ももともと平安の都の時代からここではじまっったものである
都自慢の一つになり得るものなのだ・・
鯵庵(30.7.29)

by ajiankyoto | 2018-07-29 12:32 | 地蔵菩薩 | Comments(0)