2018年 09月 30日
ある骨董商(前)
といっても趣味ではない、商いとしてである
そういうことで写真の目利きは別としても骨董を見る目は確からしい
骨董というとすぐにテレビの〝なんでも鑑定団″を思う人も多いが、ああいう掘り出し物には普通お目にかかれることはない
もうこの時代になって世に隠れていた本物がそう簡単に現れることはないというのが常識らしい
博物館の学芸員とは違って町の骨董商はコレクションの相場を作っていくこと、
わかりやすく言えば、高い目の値をつけるのが仕事で、物と相場を動かして・・やっと“なんぼ”の世界らしい
それでも、いいものはY氏が見てやると、その“いいもの”が、「買うてくれ、買うてくれ」と訴えるように言うらしい
本人の弁である
そんなこと言えば世間ではごっつい金額を思うが、Y氏のレベルは2~3万円くらいらしい
声を聞いたY氏は迷わず買う、その茶碗は5万位できっちり欲しい人の手元に届いて喜んでもらえる、そういう図式だ
倍ほどの値打ちがあるのに半分の値しか付いてないので茶碗がY氏に泣きついているのである
騙されたことはあるが騙したことはないというのが人生の達人Y骨董商の身上だ
数万円の茶碗の売り買いが出来るというのは手堅いながら上級骨董商の部類らしい
(この項続く)
鯵庵(30.9.30)
by ajiankyoto
| 2018-09-30 10:13
| 家族
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