2018年 11月 24日
葬式のレール⒂墓石
それが市営の火葬場の前身である
現代は人の屍(しかばね)は焼却しなければならない
従って、焼却してからの措置を埋葬(まいそう)と言う、埋葬は墓地でなくてはならない
小生の長男はこの地東山の火葬場で灰になった
そのふもと、いつもたむろしていた円山公園に隣する東大谷で、親鸞上人のご廟の土の一部になった
長男のいない辛さは齢とともに深まってくるが、哀しむのは我々夫婦だけのことだ
立派な御廟の樹林の土の一部であればむしろ永遠だと思える
世に何もなさぬままの命を石碑に名を刻むまでのことはないのだ
庶民が立派な石の墓を持てるというのはそんなに古い話ではない
田舎から都市への人口の移動に伴ってのものである
新たな都市住民(移民)としての証(あかし)を求めているようでもある
土葬から火葬への変化と重なる
しかしながら、これからの家の寿命は墓石の寿命に比べて短すぎる
しかも、成功の証にしても立派すぎる
立派な石碑を建てた後の空しさに早く気づくべきである
鯵庵(30.11.25)