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立夏の頃

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新緑だと言えば"青もみじ"だと言う
「京都ではそう言うんだよ」と逆に富山の友人が教えてくれた
そうか、金沢・富山までは昔から特急サンダーバードが走っていたな
だから、京都の旅は身近だという
JR西日本などの交通観光業界が力を入れているというのが訳だった

なにはともかく国語辞典でもみじを引くと、➀紅葉とある、②に"かえで”とある
かえでを引くと、カエデ(楓)科の総称とある、葉が手のひら状で紅葉が美しいとある
新緑が美しいというのでは足らなくて・・"紅葉が美しい楓の新緑、若葉も美しい"と言おうとすれば"青もみじ”になる?
元々新緑や若葉などと適格な言葉が存在する・・それで十分ではないかと小生は思う訳である

なお・・俳句の季語なら青楓(あおかえで)という言葉が古くからある、そのことやんか
実はそれどころか、「青紅葉(あおもみじ)」という言葉は既にあるのだ
紅葉の時期にまだ緑色を残しているもの、あるいは紅葉の進みを言う

紅葉しているものと未だ色づかないものグランデーションを愛でた言葉である
言葉としては新緑一色よりも奥が深い感慨が得られる

「青もみじ」という青二才的造語は、立夏のこの時も、紅葉の名所に客を導ための言葉である、ことを理解している
京都を売らなければならない業界の努力である
言い換えればこれもサラリーマンの論理なのである
観光というものはすべからくミーさんとハーさんのためにある
語彙(ごい)に飢えている人には青楓(あおかえで)より入りやすいのも事実だ
あえて言えば「青もみじ」と「青紅葉」ではまるっきり意味が反対になってしまう
なお、しかし、観光業界用語「青もみじ」は人生の秋の言葉「青紅葉」を駆逐するだろう


そんなことを言ってると今度は「あお若葉(もみじ)」というのが出てきた
若葉と書いて強引にもみじと読ます・・・・??

鯵庵は言う、つまらんことを言うと「往生しまっせ・・?」と漫才では言う
往生しきれないことを往生しまっせというのだよ
それが分からないと言葉の面白さのが分からないのだよ
鯵庵(1.5.6一部訂正)

by ajiankyoto | 2019-05-03 21:21 | 往生 | Comments(0)