2019年 05月 25日
家族の中の鬼

家族と他人とを同じ枠で考える人もいる、と書いた
しかし、厳密に言うと家族は他人と作るものである
家族の最小単位は夫婦であって、夫婦は残念ながら永遠に他人なのである
かといって、父と子だけ、母と子だけが家族ではない
爺(じじ)、婆(ばば)だって家族である
夫の親も、妻の親も家族である
元同僚A氏は早くに離婚した
母親と自分をどっちを選ぶのかと言われた
それで離婚の決心が出来たという
理由は"同じ問いかけを何度もされたのではたまらない"・・だ
母親をほる訳にはいかなかったけど、子供は残った
しかも、どちらを選んでも同じことになっていた筈だという
逆に、親がそんなことを子供に求めたら破滅である
親は選ばれなくとも親であり、自ら天秤にのるものではない
親が子を思うような気持ちを「惻隠の情」という、と前にも書いた
ところが子が親を思う気持ちには定義がないし、他人が思う気持ちにも定義がない
聞いたり、確認すれば本当に藪蛇になる
A氏は早くに離婚が出来たことを後悔しなくて済んだ
その逆もあるだろう
B氏のこと
B氏の家は娘と孫について娘の夫がちょくちょく来ていたが、
その夫が来なくなったのを聞いてみると、離婚したという
年寄夫婦に娘が可愛い孫を連れて居ついた
仕方がないが・・何も不満はないというB氏は言う
きちっと別れて帰ってきてくれるならそれが一番だと本音を語る
確かに他人のいない家族だから、何事ももめることは少ないのかもしれない
だがしかし、孫がだんだん大きくなってきて今度は自分B氏だけが他人である?怖さも感じるという
家族の中の他人(鬼)を段々排斥して家族を小さくする
そういう気持ちがおこってくるのが自然なのかもしれない
男は子が出来た時に一家の主になる
それと同じことを妻たる母がする
自分を中心とした自分の血縁関係だけで家族を構成しようとする
それが結末なら、行きつくところに家族の哀しさが見えている
家族も落ちて熟したのでは値打ちがない
鯵庵(1.5.26)
写真は「太陽のタマゴ」、宮崎県でお世話になってる人にお土産にもらった・・ブランドを作り守ることが一番大事なことである・・が