2019年 07月 13日
ボンさんが屁をこいた(前)
京都・大阪の子供達は「ボンさんがへをこいた」という方が多い
鬼ごっこなどで十の数を数える文句である
お姫さんでも糞もすれば屁もこく訳だから、坊主(ボンさん)が屁をこくぐらい何でもない
そんな恐れ多いこと・・と思う人は京都にはいない
京都は各宗派の本山が並んでいる
門跡寺院は京都だからこそであり、その他の寺も由緒を書くことでは負けない
観光寺院であってもなくても寺には住職がいる
ずっと昔、明治5年に太政官布告が出た
「自今僧侶の肉食妻帯蓄髪(にくじきさいたいちくはつ)勝手たるべし」とあるが、
明治新政府の神仏分離施策のとどめである
そもそもこんな布告を出さなければならないほど僧侶の日常は俗化していたとされる
この布告によって一層仏教戒律は骨を抜かれた
出家も在家も全く同じことになってしまった
ボンさんに家族が出来て家族のためにお寺を経営し財産を守る
財産を子に継いでいく・・というならお店(おたな)と同じだ
大きさから言えば商売人以上の経営センスが必要だろう
それはそれでいいのだが、お寺のありがたさもお寺が坊主の修行の場でもなくなった
息子は本山系の大学でさえあれば入学も卒業も出来る
娘をキリスト教系の私学に入れてよその親と同じレベルで教育を語ったりする
ちょこっと楽屋裏(がくやうら)をのぞき見すれば、高級車があったり、その横に子供の三輪車がおいてあったりする
家族があればなまめかしい洗濯物も干さねばならない
このお寺の跡継ぎのお嫁さんは宗教家と一緒になったという認識がない
現世は多様である・・ご住職にとってはこれが本当の修行かもしれない
(後編に続く)
鯵庵(1.7.13)
by ajiankyoto
| 2019-07-13 21:17
| ゲソ番は足元を見る
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