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てかけの連れ子・常盤御前裁判


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世に常盤御前裁判なる単語が存在する
昭和の前半の話だから話そのものは古い
結論と言いたいことを先に言うと
子を連れて他人の妾になってもすぐに子の親権は奪われないということだ
そう言う判例である
条件が許されれば子を家に残して他人に嫁ぐという事例はあった
だが子を連れて行った上で他人の世話になろうと親権の喪失には至らない
常盤御前が義朝亡き後、3人の子の命を守るために敵である清盛の世話になった故事になぞらえた訳である
裁判官が言ったことではない、弁護士が言ったことだ
が、記憶に残すこととなった

平家物語の記述にあってもそれが史実かどうかは知らない
しかし、妾の連れ子義経は、父の跡を継いだ源氏の武将であった
家に対する執着心は異母兄頼朝と変わらない
母と自分の命を見逃してくれた平家を容赦なく打つ破ったのは事実だ
妾の連れ子は世話になった家の子にはなれないし、馴染めないというのは世間の認めるところだろう

一方、清盛の八女に廊の御方(ろうのおんかた)という人がいる
義経の異父妹に当たる、常盤の子である、と言われている
彼女は平家の姫として姉である建礼門院に壇ノ浦まで従った
この伝説によれば、子は皆父とともに栄え、滅びている
その家の子にならないことを妾の連れ子という語源の説明である
鯵庵の巷談であるとことわっている
現実には妾の連れ子であっても、相続人にする法律手続きは存在する
そのあたりのことは、別のカテゴリーで述べる予定をしている
鯵庵(1.7.28)



by ajiankyoto | 2019-07-28 17:23 | 翁草 | Comments(0)