2021年 03月 09日
野良
穀物のあるところネズミがいる
猫を船に乗せる
その起源はエジプトの時代にある
それが世界中に猫の種類が広がった訳だという
そう言えばぬくぬくと幸せそうな猫が多い
都会の真ん中、私の職場の近くに真黒な猫がいる
時々夜10時までそこで働いている
暗いところで黒猫を見ると不吉だ
夜でも猫の目は人間の目の6倍の視力があるという
初め一匹だったけど、何故か今は3匹になった
この猫家族は温かい思いをしたことはない
餌をやる人はいる
今まで生きてきたのだから、食ってはいる
世間は絶妙のいじめで出来ている
街にはネズミもいる訳だからひょっとしたら食っているかもしれない
野生では身の危機に対して闘うか逃げるかの選択を迫られる
しかもその判断は一瞬のうちにしなければならない
闘えば食うか食われるかである
食われたくなかったら逃げればいいが、それでは食料は手に入らない
人間は勝てない勝負をしないというのもそれである
闘わなくとも肉は食える
人間のマネをして芸(仕事とも言う)をして食料を手に入れる手もある
野生と野良とは違う
闘って自分で食料を手に入れるのを仮に野性としよう
都会の闇の中では智慧が無くては野良だって生きていけない
人を恐れるが恨まないのが野良だろう
飼いネコは人間に媚びを売ってなお人間の真似をする
ぬくぬく年とった猫は最後に人間に化ける
その上とことん人の幸せをねたむという
間違ってもそんな猫を羨ましく思わないのが野良なのである
鯵庵(3.3.9)