2021年 03月 24日
ツバメは日本から来る
もうすぐ満開が発表されることになる
花は毎年のこと、そう騒ぐほどのことではない
京都気象台がツバメの初見を観測している
平年なら3月26日だ、今年はまだ観測の発表はない
市民の中には、もうツバメを見た人もいる
南の方から上がってくるのだから、当然だけど・・ツバメ前線というのもあるのだ
素人がちらっと調べてみるとツバメ前線はソメイヨシノの満開に前後してやってくることが分かる
桜が咲いて、田んぼを始める、そのタイミングなのだ
移動する動物はひょっとすると地球規模の温暖化の影響を受けるかもしれない
ツバメはオスが数日早くやってくるということだ、その後家族になる一団がやってくる
その間にやっと人の目に触れる、今年もほぼこれからだ
ツバメはオンとメンの遺伝子を受け継いでいる一羽ごとの命なのだ
それゆえか、日本に来るツバメはびっくりするほど減ってきている
日本で暮らす子育ての頃が一番危険だ
イタチや蛇やカラスに狙われ続けている
ツバメは戦うことを放棄した鳥なのだ
だから人の近くでしか生きていけない
廃屋の村でもサクラは咲くしカラスはいるが、実はツバメはいない
過疎こそはツバメの天敵なのだ
ツバメは生まれたところに帰ってくると言う
一番の原因はそこにあるのだ
都市のツバメは開けっ放しの駅や24時間営業のスーパーなどによってくる
だが、駅員や警備員は今年は巣を作らせまいと躍起だ
それでなくとも市民の目に届かなくなった
ツバメ減少の話題すらここ十年聞かれなくなった
街中ではツバメが暮らせるところが極端に少なくなっている
日本で子供を育てるツバメは日本の鳥だ
ツバメは南から来るのでなく、日本から来るのだ
日本の都市近郊や田園で人と一緒にしか暮らせない鳥なのだ
我らもむかし田舎から出てきた
人のいない廃屋ではツバメも暮らせないのだ
後を追ってきたツバメぐらいは最後まで守ってやりたいものだ
本当にツバメのいない都市になってしまっていいのだろうか
鯵庵(3.3.24)