2021年 04月 07日
葬式のレール(10)戒名は必要か(その1)
葬儀を依頼した僧侶に謝礼をすれば、必然的に戒名がいただけることになる
通夜・告別式の謝礼の名目は「布施」ではあるが、戒名料は明らかに謝礼である
ということで、告別式を機会に戒名を持つこととなる
宗派を選ぶのは本来教義への信奉者としての意思であるが
日本では檀家制度の名残が根強い
葬儀の時は準備不足であわてて・・・家の宗派に戻ってしまう
それでいてどこそこの寺の檀家だったりとか自分が仏教徒だったとかを再認識したりする
葬儀のしきたりを僧侶や親戚の物知りに教えてもらってほっとするものなのである
何かと古いしきたりが次から次へしかも寄ってたかって口をはさんでくる
もう喪主としての主体性などどこにもなくなる
何しろ、仏が人質に取られている
心ある人は、その時自分の葬式のことを思ってしまう一瞬である
が、終わってしまえばすぐに忘れてしまうものでもある
結果、亡くなった人への愛が、僧侶へのお布施に代わる
・・ということで、おかしなことに僧侶への「お布施」にも相場というものが出来る
通夜と告別式を頼んだら約20万円/ 1人(この場合は、以上という意味である)、車代、膳料とくる
交通費と食事代だけは実費以上であればいい
ただ、それとは別に戒名料が必要なのだ
最低で10万円、家名と仏のためと見栄を張れば100万円払う家もある
基本的には本山やお寺の生活維持にかかわる費用だ
寄付だとしたら上限はなくなる
・・・これは檀家としての相場である
檀家であることにこだわるから相場が気になるのである
この項続く
鯵庵(3.4.7)