2021年 04月 14日
葬式のレール(14)経験(その1)
突然のことで何の用意も知識もないまま葬儀に臨んだ
私の会社や友人の参列者も多かった
が、はるかに息子の友人らの多さに驚いた
通夜式が終わっても続々駆けつけてくるし、通夜式が終わっても帰らないのだ
こんなに大勢なのは芸能人のようだという人がいた
ところが違うのだ、服装が普段着なのだ
中にも勤め先の作業服のままや、アカやミドリの髪色の人も混じっていた
はたちを超えたばかりの息子であったが、大人の付き合いがもうキッチリ始まっていた
実は知らなかった、若くして友人の多さは誇れること、急にそう思った
いくつものテーブルで友人たちの通夜が始まった
通夜の客は帰らないのに、困ったことに会館の人は帰ってしまった
家族と一緒に明け方まで私たちの知らない何人もの人が起きていた
食い物も飲み物にも手も付けないのだ
自分らのやる葬式はそれで十分だということかもしれない
その彼ら彼女らの多くが翌日の告別式には来なかった
昼間は仕事や学校もあるし、キッチリ喪服を持っているという世代ではない
葬式の経験は明らかに少ない・・・、
こんな大きな会館では自分らが場違いになるというふうに思ったのかもしれない
葬式は家族や親族のものである、・・・会館の葬儀の進行は何処へ行っても同じだ
今までやっと一緒に生きてきた若き友人の死にしてはあまりにも通り一遍で冷たすぎる
そんなことをすでに感じていたのかもしれない
この項続く
鯵庵(3.4.14)
by ajiankyoto
| 2021-04-14 12:00
| 葬式のレール
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