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葬式のレール(15)経験(その2)

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息子の友人たちは突然何か分からないまま、悟ったのだろう
死という事実によって一瞬にして全てが始まって、・・終わったのだろう
儀式の虚しさを先に本能的に悟ったのだ
死というものが自分の隣にいるかもしれない
無常、無常感、若い人ほど敏感かもしれない

少し違った話をする
今までに地球上に存在して死亡した人の死亡年齢の平均は30歳だという説がある
一方、平均余命80歳うんぬんというのは今現実に生きている人のことである
今日この時点を境にしても死んだ人の平均と生きている人の平均とに3倍の違いがある
それが、今生きている人が一番理解できないことでもある
死というものは若い人ほど近いところにあるというのが歴史なのだ
友の死にあるいは初めて出会う人の死に感じたものこそ、
人間が持っている遺伝子的な無常感かもしれない
が、生き残ることによって薄れていくのも当然なことかもしれない

医学の進歩は寿命に貢献したのは明らかだろう
だが人の死は特に青年の死因は断トツで戦いによる死なのだ
人類の歴史は文明発祥の時代からあくなき戦いなのである
歴史的過去の多くは若くしてなお悔しく無残な戦士の死と
戦いの犠牲になった人の死だったのだ
弔う(とむらう)というのはまずは死者の霊を慰めることであった
霊とは本来の寿命を全うできなかった魂のことである
自分たちのために犠牲になってくれた人の死を弔うための儀式が葬式なのだ

この項続く
鯵庵(3.4.15)

by ajiankyoto | 2021-04-15 17:00 | 葬式のレール | Comments(0)