2021年 05月 03日
葬式のレール(23)骨壺
収骨には習慣の差がある
部分収骨とは火葬場の骨上げの際、のどぼとけや歯骨などの一部の骨だけを拾って収骨することを言う
従って小さめの骨壺(9~15センチ)で足りることになる
もちろん残った灰(残骨灰)は火葬場でにおいて措置(処分と供養)されることになる
西日本は概ねこの部分収骨のかたちである
ということは、中部地方から関東・東北地方は全部収骨が習慣である
遺灰の全てを骨壺に詰めることになる
焼却場に残すことが出来ない
骨壺が大きくなるわけである
それはあくまでも習慣というものである、遺骨信仰に変わりはない
ただ、習慣の違いを知っておかねばカルチャーショックを受けることはある
骨壺の値段を調べてみた
葬儀一切の見積もりの中にあるので骨壺だけを買うことは余りない
最低2~3000円から10万円くらいまで色々あるようだ
有名な焼き物なら15万円ぐらいはするが、そんなことはもちろん我々には関係ない
磁器の1万円ぐらいの骨壺をよく見るような気がする
今は手元に置いたまま暮らす人もいるようだ
少しお金をかけたいと思う人もいるだろう
そう思えば様々なデザインがあるのも納得できる
屍(や焼却前の遺骨)は自分で持っているわけにはいかない
遺骨は遺灰だからそう言うことができる
法律によれば埋葬は必ず墓地でなければならないが、
遺骨は必ず埋葬しなければならないことはない
ずっと持っていても、あるいは宗教的行為としての散骨も違法ではない
骨壺のままの遺骨をそのまま抱かまえているのは世間体がある
それなり、それ用の骨壺にすれば少し高くつく
さらにそれを装飾すると相当高くつく
更にはペンダント風にすることも商売として成り立つ訳である
それを好みとする人には救いになるかもしれない
ただ・・年月を経て行方不明になるようなことになればはかないことになる
遺骨は永遠ではない、やがて分解されて土に帰るのが自然である
遺骨を抱えてるあなたより遺骨の方が寿命が長いこともある
それでなくとも・・遺骨(遺灰)より骨壺の寿命の方が長いのである
鯵庵(3.5.3)