2021年 05月 06日
葬式のレール(24)墓との距離(その1)
ところが墓を移転(※改葬)するということは結構大変なことである
親がいて正月や盆あるいは彼岸に帰省するところがあればありがたい
しかし、自分が田舎を捨てて親もいないとなれば田舎へ帰るのは墓参りと言えど辛いことである
先祖の墓と自宅との距離が問題になる
それゆえか無縁仏が増えている、墓参りしなくとも墓の所有者がはっきりしていれば無縁仏ではない
墓地の運営者が正式に無縁仏とするには改葬の公告をしなければならない
それも手間のかかることである
国の調査では出生地に住み続けてるいる人の割合は2割以下に減少している
もうこれ以上に下がらないかもしれないが、その大きな原因が都市移住と人口減少である
その残りの7割・8割の人の中で新しい墓を持つことがここ数十年続いてきた
墓地を分譲(土地は所有しない)する形の霊園が今までの主流であった
今でも条件のいい霊園墓地の競争率は高い
けど、一方でそこでも無縁仏が増えている
評論家は都市移住の問題より今は未婚化の方が影響しているという
人間、子が出来て孫が出来てはじめて先祖のことに思いが至る訳である
でも残念ながらその子にも墓参りする姿を見せていない
生きてるうちに自分の墓を作ったって同じである
そんな墓に参るのを子供に見せても感動はないだろう
人間の終わりは骨(灰)である
だが、生きていた証(あかし)の名前が欲しい
石の墓は日本列島の3000年前に始った記念碑信仰なのである
鯵庵(3.5.6)
by ajiankyoto
| 2021-05-06 20:00
| 葬式のレール
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