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葬式のレール(27)その(8/9)

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リビング・ウィルは「終末期医療における事前指示書」と言われる
患者が医者に”指示”しているのだ
似た物に遺言があるが、遺言書に書いても役に立たない
遺言は死後にしか有効にならない
だから”生前の”という言葉を付け加えるのが分かりやすい
「尊厳死宣言書」などと言ったりする
家族がいる場合は家族の署名が必要だったりする
ここが手続きとして煩雑でもある
署名は代表者でいいが、肉親でも然るべき人でなければ後々問題になる
回復の見込みがないということは医者にしか分からない
患者も家族も状況の理解は皆違うだろう
患者本人の認識と、家族には家族の個別な感情や思惑があるのが普通なのである
家族の理解は皆違うのである
生きていくには勇気がいった
が人に助けてもらうことができた
死ぬ時はもっと勇気がいる
が、家族は今更助けてくれない
その時の医者の役割は極めて大きい
ただ、どう死なせてやろうかと考えられない医者には、
どう生活させてやろうかということが分からないものだ
それを分かる人を名医と言うのだろう・・・ね
葬式のレールは医者が引いて
たどり着いた駅の改札で坊主が切符を回収する
それでも自分の駅で降りなければならない
鯵庵(4.5.2)



by ajiankyoto | 2022-05-02 10:00 | 葬式のレール | Comments(0)