2022年 05月 04日
葬式のレール(27)その(9/9)

前項から続く
健康も程々だし、経済も程々だったということだろう
生き残った証だと思えばいい
家族の絆とは別のものだ
夫婦の縁も腐ってしまった
子や孫は死んでからのことしか考えていない・・としてもだ
世の中に何も残せない人が99%なのだ
そこまで来れば、自分の死のありかたを決めなければならない
しかし、所詮同じだろうという人もいる
死に方を決められない
生き方も決められない
それどころか病院も決められない
葬儀の形も決められない
葬儀にきてくれる人を決めておくわけにはいかない
それどころか、葬儀の費用の分担から始まって、
マンションの処分まで一気に話が進んで大いにもめることだろう
それが決まらないと遺骨の引き取り手も決まらない
そんな葬儀はいくらでもある
私の場合は・・・どうせもめるなら、・・
現世との境目をさまよっている四十九日までしっかりもめてくれ
初めて家族の本心を知ることができる
人生は努力しても思った通りにはいかなかった
人生の最期や死後のことが思った通りいくことは絶対にない
それを後の祭りというのだ
自分の思いは、家族の期待外れを生み出す
死して後まで番を張ることは出来ない
と、のみ知るべきである
世間は虚仮(こけ)である
そこまで書いてきて私の葬式のレールは終わる
完結するのではない
『葬式のレール(1)「火葬」』に戻ってほしい
人の死は火葬で終わる、というのがテーマであることを分かってもらえる
鯵庵(4.5.4)


