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女紋

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今は少なくなったものに女紋というのがある
由緒のありそうな家育ちの女性にはお持ちの方も多いかもしれない
家の紋ではなくあくまでも女性が個人で持ち、個人で引き継いでいくもの
女系の名残りかもしれない
このような風習は京都・大坂あるいは近畿地方だけともいう
婚姻の時は実家の定紋を使う
が、それでは結婚後は使えないし自分の子にも譲れない
貸衣装の女性の礼服では五三の桐やツタの紋章などで女紋を代用したりしている
わが国は家を継ぐものとして男系で相続してきた、
その象徴が姓と家紋である
一方、実生活では女系の意識も根強いものがある
娘が嫁に行くときは女紋を持っていくというのが個人のプライドである
無くてもかまわないが、自立できる誇り高き女性なら持っていたい
あくまでも一個の女性が家と別に持つものだからだ
母親に無ければ作ればいい、娘に無ければ作ってやればいい
女紋を持てば浮世の風は冷たくも
背筋が伸びて、きりきりしゃんと生きていけると信じているからである
女性個人の誇りでもある
そのためには女はいつも親を超える女にならなければならない
家が滅びれば家紋は役に立たない、女は女紋を抱いて死ねるって?
ひょっとしたら最後は母娘のつながりだけしか信じられないかもしれない
鯵庵(R4.11.15)

by ajiankyoto | 2022-11-15 10:00 | 鯵庵の辞書 | Comments(0)