(33)あの日の青空

独り暮らしの高齢者が焼死した
ずっと前の大震災から元へ戻れなかった人が多く住んでいた
体の不自由な人が1階に住んでいても逃げられなかった
なんてニュースである
ニュースにどんな反応するかマチマチだろう

自分はどんな死に方をするんだろうね
野垂れ死にするとは思っていないが
病気も事故も避けられない
息子が3人おれば医者と弁護士と極道に育てれば100点だ
そうすれば老後は安泰かもしれない
社会の世話にならねばならぬのが当たり前だからだ
災害がきっかけで人生が変わるかもしれない
野垂れ死にのような結末だって想定しておかねばである

年寄りに一番多い失敗は「迂闊（うかつ）」である
社会はサラリーマン論理の経済とオレオレ型の詐欺で動いている
欲をかけばオレオレ詐欺に金をとられる
後でそんなうまい話があるはずないやろ、と笑われる
社会は温かい福祉制度で動いている
だが、政府や自治体の温かさは限度がある
マンが悪いとその制度の隙間に入ってしまうときがある
いかなる制度には必ず谷間、隙間があるものだ

その隙間を埋めるのが民間企業である
民間活力の利用は社会の力になる
のだが、そこにはまた妖怪みたいなサラリーマンの論理が働く
1億円を超えるシニア向け分譲マンションが全国に建つようになってきた
見晴らしはいいし立地はいいし部屋は設備はいいしとなれば分譲価格も仕方がないとして
そんところで死ねたらるあまりにも幸せ過ぎる
なお、その上に同じヘルパーでもそんなところで働く方がいいだろうね
幸せな人の周りに幸せな人が集まってくる
周りに幸せな人が多いと少しでも分けてもらえる
迂闊にも谷間に落ち込んだ
周りに幸せな人が減ってしまうのが谷間である
♬青空あの日の青空ひとりきり（井上陽水）

崖を登ってくる人には手を差し伸べる
それが福祉ではないか
それが、政治ではないかと思ったが
ほとんどの政治家は政治は経済だと信じている
崖が高くて戻れない
それがまた平和主義の隙間なんだろうね
商業主義が次に続く
コロナが終わってみれば・・またみんなが金持ちにあこがれる

鯵庵（R5.4.14）