2023年 06月 08日
10.検事に妹あり

映画「検事とその妹」は戦前(S12)の日活映画
原作は劇作家竹田敏彦の小説(検事の妹)である
その時の主題歌である
兄妹愛のメロドラマに社会派サスペンスで味付けしたような内容である
基本的には兄の学業を助けるため妹が女給などして働く、そうして生きてきた
似たような境遇の2組の兄妹が検事と被告の側で向かい合ってドラマが進むわけである
それはさておき、我が国で司法試験に合格するということは
古き中国のあの公務員試験科挙とほぼ同じことなのだ
合格さえすれば自分も支配階級になれる
今の日本にも司法試験合格者だけの言葉と世界がある
検事を辞めて弁護士になる
弁護士が政治家になって政治家を辞めても弁護士をする
政治が出来るのは司法試験合格者でなければならない
・・と思ってる人たちの集団もいる
鯵庵は勝手に今、愛唱歌「検事とその妹」の歌を思いだしている
♫泣くな妹よ妹よ泣くな・・
♫泣けば幼い二人して故郷を捨てた甲斐がない・・
歯を食いしばってせめて兄だけでも世に出ていってほしい
夫婦は一心同体だし、姉なら親代わりでありそうだが、・・・
それにしても異様な兄妹愛である
でも、あれから数十年、その人たちの成れの果てを見ているとこがある
その検事や弁護士が悪徳弁護士やタレントで金儲けする構造もおかしい
法律は自分たちのためにあると思って勉強してきた人ばかりでは困る
改めて、正しく生きる人のために仕事してもらうためには・・
運転免許更新のように更新講習と認知症検査くらいは課すべきである???
それはさておき、この歌「人生の並木路」と言う
この歌しか歌わない友人がいたが、確かに何年たっても歌える
少し歌詞の中の「♬我が世の春」が気にかかる
苦学する兄妹が憧れるのは自分たちの春でこそあれ
決して"我が世の春"ではないはず
我が世の春は言葉のとおりなのだが、
何事も自分の思い通りになることを言いかえた言葉でもある
検事になれば支配階級になれる、まさか本音のまま?
いずれにしても並木道を歩いている兄妹は道の先に立身出世が見えている
それが本音だとしても驚かないが、声高に歌う歌詞には少し違和感がある
多くの人には並木道ではなくて五里霧中の方だろう
戦前の価値感なんだろうと思う
そもそも、今時そんな苦学生なんかどこにもいない
詩人佐藤惣之助は(S17没)は「人生劇場」、「六甲おろし」の作詞でも有名である
鯵庵(R5.6.3)
by ajiankyoto
| 2023-06-08 12:00
| 歌謡曲
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