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15.夕暮れの未亡人

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夫を亡くした女(妻)
息子を亡くした女(義母、しゅうとめという)
が二人彼岸参りをする帰り道
もういいよ・・
いつまでもこのままでは、と語りかける
という歌である
「夕暮れ文庫」、詞は猪股義周、曲は杉本眞人
歌はこの歌謡曲シリーズの本命西山ひとみである

夫に先立たれた人を"未亡人"という
意味は、未だ亡くならない人と書く
年齢のことを言わなければ多くの女性にとってはあり得る事態である
妻が先に亡くなった夫には別の言葉がある
自虐的に語る言葉であるため、他人が語るには不適当だ
だから、間違っても離婚した人に未亡人と言ってはいけないし
逆に愛する夫を亡くした人にバツイチなどと言えば絶交ものだ
役所言葉ではどちらも寡婦(かふ)という
だが、心のこもらないので日常会話では使わない
どちらも独身であることには変わりがないが・・・

♬あの子のことはもういいよ
♬どうか倖せ見つけてね

と義母がつぶやく
♬あなたを愛した女が二人
♬あなたを失くした悲しみを競い合いながら
♬ただささやかに生きると決めた
♬夕暮れの・・・・・

人生の刹那を上手く歌った歌である
人生は刹那の連続である
その上交差点ばかりである
が、交差点ごとに新しい出会いがある
人は元来多くの人を愛することが出来る動物でもある
悲しみはいつか癒える
それでも愛は深まるかもしれない
人を愛したまままた新しい恋ができる
そうさとしている義母も未亡人であったかもしれない?

ともかくも西山ひとみの歌唱は聞く値打ちがある
と、鯵庵(R5.6.18)が言っている

by ajiankyoto | 2023-06-18 19:33 | 歌謡曲 | Comments(0)