2018年 04月 01日 ( 1 )

サクラ切る人


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今年のサクラは3月中に満開になってしまって予定が狂った人もいるかもしれない
特にソメイヨシノは葉が出てくる前に満開になる
その瞬間の短さが日本の春の景色を作っている
日本列島、北に向かってサクラを追いかけていく人もいる
ソメイヨシノは近世に作り出された園芸品種である
挿し木・接ぎ木でしか増えないクローンだから、極めて老化が早い
寿命は60~70年と言われる
このサクラも今精一杯咲いているのだろーな、とは思ってはいた
近所の工場のフェンス際に数本の大木があった
そこまでは去年の春の話である

その後のある日造園屋のトラックとクレーンがやってきたというわけだ
毎年の剪定かと思いきや、その古いサクラの大木を切ってしまったものだから景色がすっかり変わってしまった
もちろん今年の花見は出来ない
何でサクラを切ったの・・その事情を聞きに新しい役員さんが工場の守衛長さんに面会した
ところが、予想もしない話を聞いて帰ってきた
以前の自治会の役員の一人の方が、その会社に"しつこく”苦情を言っていたようだ
花は一時、それ以外の年間は結構手間がかかるし何かと不十分なことがありますと会社の守衛さんも平身低頭していたらしいが
ついに自治会の要望として会社に相談したのかもしれない・・
確かに散る花びらや消毒や落ち葉にすらきっちり苦情を言いたい人もいるようだ
が、町内の住民も何も知らなかったことも少し不思議だ

公共施設にサクラを植えるのを嫌うという話を聞いたこともある
互いにそれほど迷惑だったということはないのに・・民間会社だから苦情があればこの際と言うことになったのだろうか
近所の住民の花見に開放してくれと言われてるのがいやだったのかもしれない
結局は、寿命が来たソメイヨシノの老木を切ることを決めるなんて会社にとって簡単なことだったのだろう

サクラと言えばソメイヨシノとばかり思っている人も多い
もうサクラも終わったね、と言うがほとんどのサクラの種類はこれからなのである
戦後復興から70年、盛りの最後のソメイヨシノが日本中にある
近所の工場はもうソメイヨシノを植えないだろう
いつの間にか大きな会社になってしまった
同じように大きくなったソメイヨシノなのだが、もはや老木はこの工場のシンボルにはならない
それだけではなくすっかり周りが住宅になってしまっている
今度は郊外に引っ越しを考えているかもしれない

ここにきてソメイヨシノは世代交代が上手く行かない例かもしれない
鯵庵(30.4.1)

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by ajiankyoto | 2018-04-01 10:22 | 都市 | Comments(1)