2018年 05月 23日 ( 1 )

失踪/吾亦紅⑷


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家内の叔父の相続放棄事件を前項で書いた
子供がいなかったために父母・兄弟への相続が発生した訳である
予期せざることでもあった
数年前までは叔父叔母夫婦は二人で普通に暮らしていた
叔母が先に亡くなった、それから始まった

実は叔父叔母には息子がいた
社会人になって働いていたが、30年前に突然家出した
行方不明である、社会人だからそう心配することもない・・
と、思っていたらいつの間にか30年近くになってしまった
もはや60才にもなる筈だし、元気でいればそれでいいと
いつまで待っていたいのは親の気持ちである
だが、叔母が亡くなって困ったのは相続である
預金や財産の移動が出来ないのだ
息子が生きてる限り息子も相続人であり、相続の手続きが進められないのである
叔父が法律相談に行った弁護士は、失踪の手続きを勧めた
しかも、その手続きは叔父が亡くなった後では出来なくなることを教えられた
弁護士に失踪宣告の手続きをお願いすることになった次第である

庶民には悲しいことは忘れる前にやってくる
その失踪手続き中に叔父が亡くなったのである
妻を亡くした男は早い、その例だったのかもしれないが
失踪宣告に老いの生涯のエネルギー(希望)を費やしたのかもしれない
だが、既に失踪手続きは淡々と進められ、最後は一片の紙切れが掲示された
葬儀の時にその流れを弁護士から聞かされたものは法律の厳しさに驚かされた
叔父の最期の意思がどこにあったのか我々には知り得ない
息子の失踪の手続きは自分が息子にしてやれる最期の法律手続きだったのだろう
遺骨を見ないまま死を認めることは出来ない日本人の宗教感もあるだろう
それでも、どこかで生きてくれていればそれでいい、と死ぬまで思っていただろう

もちろん生存していたとしたら、本人によって失踪宣告は取り消すことが出来る
宣告をなかったすることに出来るが、宣告後取り消しまでの期間の行為(善意の)は戻すことが出来ない
誰であっても他家の財産までは手を出してはいけない
叔父叔母のささやかな財産は叔父叔母の個人の財産だけでなく家族の財産なのだ
最後まで子供に残してやりたい思いだったろうとは十分に推察できる
弁護士さんの尽力で、家族が住んでいた家を残すことが出来た
そのための手続きにやっと遺産を使えるようになった?
この話暫く続けます、鯵庵(30.5.22)

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by ajiankyoto | 2018-05-23 08:36 | 家族 | Comments(1)