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正月と立春


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太陽暦では一番寒い時期に向かって正月が来る
冬至が過ぎた途端に正月である
日本人の潜在的暦では正月と立春が重なるのがちょうどいい
正月を「新春」ということに抵抗は感じてないのに春の気配が無くても平気なのは少し不思議である
それなら太陰暦(旧暦)の方がいいかというと必ずしもそうではない
農耕生活は旧暦の方がいいと今でもいう人がいるがそれはむしろ嗜虐的な発想である

正月は立春から始まるようにしたいのだが・・
立春が含まれる月を1月に定めたのでは、正月そのものが幅が大きすぎる
だから旧暦では立春のほぼ15日の後の雨水が含まれる月を1月としてその朔日を正月とした
雨水は太陽暦では2月19日ごろに当たるので
旧暦の月の真ん中に雨水が来れば、それより15日先の立春が1月の初めに限りなく近づくのである
少なくとも半月ほどの幅でしか動かないことになる

平成30年の立春は2月4日、雨水は19日である
これは太陽と地球の関係だけで決まるものである
その時、月はどこにいるかというと
1月31日に皆既月食の大満月があったぐらいだから
(その月の月が)新月になるのが2月16日(太陽暦)である
あの時の月は12月15日の満月だったのだ
だから、太陽暦の2月16日が旧暦の1月1日、正月なのである
しかし、月の満ち欠けで決めた旧暦の朔日である
1日ではあるが立春とは違う

ただ、立春と正月は相思相愛の間柄である
そういうことだから、約30年に一度は立春が朔日になる
それを縁起を担いで朔旦立春(さくたんりっしゅん)という
平成4年(1992)がそうだった、次はなんと2038年になる
旧暦ながら節分が大晦日で立春が元旦となる・・が
なかなかこない・・
太陽暦(日本)では、春は3月~5月に区分される
が、間違いなく3月に立春が来ることはない
この微妙なずレを楽しむというのが暦の文学である
写真はセツブンソウ(今年はまだ咲いてない)
鯵庵(30.2.3②)

by ajiankyoto | 2018-02-03 19:42 | | Comments(1)

京都のおけら

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おけらというのがある
この〝おけら″というのは、キク科の植物である
小生のポケット図鑑によれば、〝古名をウケラと言い万葉集にも登場する、若芽は人気のある山菜の一つ云々・・″とある
この植物の根を乾燥させたものをおけら(白朮・はくじゅつ)として、漢方の生薬として用いられている

八坂神社の新年行事・朮(おけら)参りというのもこれだ
おけらを燻(くす)べたご神火から火を竹製の火縄にいただいて持ってかえるという風習である
火種が消えないようにくるくる回しながら持ってかえってご燈明に灯したりする
乗り物に乗って持ってかえるのは無理だ
元来ご近所の人たちの特権である
八坂神社でも1年の最初の行事が「白朮祭」とある
お場合によってお屠蘇を振る舞っていただけるかもしれない
おけらは健胃などに薬効があるようだ、屠蘇散(とそさん・お屠蘇のこと)にも含まれている

年末のこの時、錦市場や四条大橋、祇園の界隈もほぼ外国の人だ
初詣くらいせめて静かにと思うが、きっとまた、お正月からまた喧騒が続くだろう
何でこんなことになってしまったのだろうか
おけらにも白朮(はくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)というのがあって、効き目が似ているからと言って国内では混用されていると本には載っていた
元来漢方はあちらのものだけど・・今の中国産の生薬は日本人の体には合わないかもしれない
そんなことがいっぱい起こっている
そんなことあんなことを知っておけら参りのニュースを見ることも大事なんですよ
来年も上から目線を宣言します
いいお年を・・
鯵庵でした(29.12.31)

by ajiankyoto | 2017-12-31 08:08 | 翁草 | Comments(4)

祈りなき祭

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巻き寿司や鯖寿司は都会でも田舎でも祭りやハレの日には是非とも欲しいもの
「恵方巻」で、この日あたりはコンビニでも結構凝った美味しい巻き寿司が手に入るメリットはある
全国の消費者にとっては手軽に美味しい巻きずしが手に入る機会でもある
節分用の巻きずしの全国販売はそれぞれのコンビニが活躍してます
コンビニのチエーン力の大きさを見るようです
もちろんそれはコンビニ戦士のしのぎを削る闘いにも見えます

ただ、追儺(ついな)・節分の行事も色々ある中で、巻き寿司の丸かぶりには文化も伝統も感じられない
もともとこちらの方面(関西)のコンビニチェーンが販売促進のため始めたこととも言われる
いわばジョークだと知ってるものと思っていたが、スーパーに限らずこのごろはデパートでも、一丁前の寿司屋も負けずにやっている
巻きずしというのは日本版古典的ファストフードの代表でもあるが・・
一方せめて丸かぶりだけはやめて欲しいと言う運動も起こっている
販売促進なら何でも、ということか?

困ったことに「暦のはっぴを着て」祭りだと騒いでおれば
ジョークでも十年・二十年続くと本当らしくなってきたと言う訳である
この頃はその巻き寿司も並ばなければ買えないし、作るほうも工場でフル生産である
ふた昔以前のクリスマスのデコレーションケーキ以上の緊張感がある
バレンタインデーのチョコレートも似たようなものである
納品に手違いが許されない
しかも、一日遅れたらゴミになってしまう
そのことを嘆く人もいる

巻き寿司は各家の味というものがあったし、町内の仕出し屋でも味にこだわった
その中にささやかながらも家族の祈りがあったのにと思ってしまう
いつもながらコンビニやスーパーのレベルで議論してしまうと、
味は野蛮になり、食べ物に対する感謝や自然に対する信仰などという素朴な思いも文化もなくなってしまう
せめて・・工場で作るものではない。
〝物が足りる世の中を動かしているのは冗談とパロディ、フィクションである
それの作り手はいつでも商業主義と”サラリーマンの論理″だと言っていたコメンテーターがいた
こんなことを言う人はそのうちテレビでは見られなくなるかもしれない
その前にその言葉を紹介させいただいた
鯵庵(1.30)

by ajiankyoto | 2017-01-30 07:26 | | Comments(0)

昔、招福巻で出てました


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文化には香りが必要だと思う
節分と言うのは新しい年に向けて邪気を払うという素朴な信仰を基にしている。
邪気は鬼であり、福を招くというのは当たり前の気持ちである
節分の行事の基本は豆まきであり、柊(ひいらぎ)の枝と鰯(いわし)の頭は厄(やく)払いである
室町時代から続く風習である
長く続くといえ基本は素朴な庶民の生活感がそこにある
ご馳走は巻きずしでも十分であり、それでもハレの気分を感じる人は多い
昭和の時代になって巻きずし業者は、同じ巻きずしでも節分のそれを〝幸運巻きずし″として広めていた
このあたりから文化の味わいが変わってくる

「招福巻(しょうふくまき)」と言う言葉なら、こちらの人なら記憶に新しいかもしれない
大阪の老舗のすし屋が節分の縁起を担いで考え出した巻きずしである
これに「招福巻」と名をつけ昭和63年(1988)商標登録した
節分とセットで招福巻と言う言葉は近辺のスーパーでもなじめる言葉になっていった
スーパー大手のジャスコが「十二単衣(じゅうにひとえ)の招福巻」と言うのを節分用の巻きずしとして売り出した
平成20年(2008)商標の侵害に関わる訴訟となった
結局、ジャスコ「十二単衣の招福巻」側が勝った
商標権の侵害にあたらないとの裁判所の判断だった
ジャスコが売り出したころには招福巻として既に普通名詞化している・・ということで登録商標であっても商標権の効力が及ばないという判断だった(2010確定)

登録商標は登録者が守らねばならないとされる
〝登録商標って何なのだろうか″と大阪の鮨屋はとっては結構やるせない思いだろう
たとえ普通名詞化されたとしても売り上げが上がればいい
またそうでなければジャスコも招福巻の名前を使わなかったろう
しかし、裁判で勝ったジャスコもその後もう招福巻は使ってない
登録商標を所有してても普通名詞並みであると公に認められたのではゴミ同様である
こちらも使わない
結局、「招福巻」は普通名詞になり損ねたまま、辞書にも載ることはない
一方「恵方巻」は、グーグル検索でも溢れているし、辞書にも載っている
これこそもっと早い目に商標登録しておけば今頃面白かったのにと思ったりする
(この項続く・・かも)
鯵庵(1.18)



by ajiankyoto | 2017-01-18 06:58 | | Comments(0)